婚約者は狼神!? 帝国の守護神の通訳として雇われた私、なぜか溺愛されてます!

「嘘だな」
 颯雅に断定され、燈子はむっとした。

「なんで決めつけるんですか」
「お前は何度も嘘をついてきた。この局面で嘘をつかないわけがない」
「これは本当です!」

 颯雅は疑いの目を変えない。
「もし本当なら、もうやめろ」
「どうしてですか!」
「無駄だからだ」

 燈子はかちんときた。
「やってみなくてはわかりません」
「軍ができていないことを、お前ひとりでできるわけがないだろう」
 その通りだ。だから廉次に協力を求めたのだ。

「俺の婚約者はお前だ。不実な噂が流れるのは互いのためにならない」
 それでか、と燈子は納得した。噂が嫌で、だから彼は予定外に帰ってきて自分に釘を刺しているのだ。
 熱くなった心が一瞬で冷えた。

「なんでそういう高圧的な言い方をするのですか」
「婚約者がほかの男と出歩いていると知っていい気分になるわけないだろ!」

「体面ばっかり気にして!」
「体面ではない! 俺はお前が大事なんだ!」
 燈子はまたかちんときた。