婚約者は狼神!? 帝国の守護神の通訳として雇われた私、なぜか溺愛されてます!

「あの男のことか?」
「え?」
 燈子はきょとんとした。

「一緒にいたあの男はなんだったんだ」
「それは」
 燈子は言葉に詰まった。

 記者だ、と言ったら颯雅はどんな反応をするだろう。調べているのを止められるのか、応援してくれるのか。

「どこで知り合った? 何者なんだ? 散歩と偽るのはなぜだ?」
 詰問に、燈子は気圧された。

「やはりお前も普通の男がいいのか」
「え?」
 燈子は目をまばたいた。

「わかっている。狼のなりそこないなんて普通は受け付けない。帝国の守護神と言われるほどの力があればまだ納得もできようが。もはやただの人間であるならば、最初からまともな男のほうがいいのは明々白々(めいめいはくはく)
「違います、私は颯雅様の無実を晴らしたくて」

 颯雅は怪訝な顔をして、燈子ははっと口をつぐむ。
「どういうことだ?」
 追及され、燈子は口をへの字に曲げた。黙っていたほうがよかったに違いない。

「……疑いを晴らす証拠を探して、それで人に聞いて回っていました。男の人と話すこともあったと思います」
 嘘はついていない、と燈子は自分の中で言い訳する。
 しかし。