「あやかしが出現すれば颯雅様のせいではないとわかってもらえるかもしれないのに、自作自演の記事が出てから全然出ません。不自然です。むしろ記事を書いた人があやかしと組んでいるみたい」
燈子が歯噛みすると、彼は広げた手の人差し指で眼鏡のブリッジを押し上げた。
「前にも言いましたが犬型のあやかしはさしずめ狂犬、人の命令なぞ聞きません」
「そうですけど……」
「写真でも取れればいいんだけどな」
胸に下げた大きなカメラを撫でて彼は言う。
「あやかしの写真ですか?」
「まず撮れませんけどね。遭遇が稀ですし、出くわしたところで撮影する間もなく殺されるのがオチです。命を落としては意味がない」
確かにその通りだ。
「妹さんからも話を聞きたいですね。社の者が訪ねてもうちの記事が気に入らないと門前払いだったそうで。あなたから取り次いでもらえませんか」
「無理です」
「不仲でいらっしゃる?」
「はい」
ふむ、と彼は顎に手を当てて考える。
「しかし一度は話を聞かなければ。なにか方法を考えましょう」
夕方になって家に戻ると、颯雅が帰っていて驚いた。
リビングに連れていかれ、向かい合って座ると彼は黄金の瞳で燈子を見据えた。
「今日はなにをしていた?」
燈子はどきっとしたが、平然を装う。
「なにもしてません」
燈子が歯噛みすると、彼は広げた手の人差し指で眼鏡のブリッジを押し上げた。
「前にも言いましたが犬型のあやかしはさしずめ狂犬、人の命令なぞ聞きません」
「そうですけど……」
「写真でも取れればいいんだけどな」
胸に下げた大きなカメラを撫でて彼は言う。
「あやかしの写真ですか?」
「まず撮れませんけどね。遭遇が稀ですし、出くわしたところで撮影する間もなく殺されるのがオチです。命を落としては意味がない」
確かにその通りだ。
「妹さんからも話を聞きたいですね。社の者が訪ねてもうちの記事が気に入らないと門前払いだったそうで。あなたから取り次いでもらえませんか」
「無理です」
「不仲でいらっしゃる?」
「はい」
ふむ、と彼は顎に手を当てて考える。
「しかし一度は話を聞かなければ。なにか方法を考えましょう」
夕方になって家に戻ると、颯雅が帰っていて驚いた。
リビングに連れていかれ、向かい合って座ると彼は黄金の瞳で燈子を見据えた。
「今日はなにをしていた?」
燈子はどきっとしたが、平然を装う。
「なにもしてません」



