「私は記者なので調べたことを記事にします。ですが、それが人を脅かすものであってはいけません。新聞には力があります。その使い方は気を付けなくてはなりません。人生をゆがめる浮説の流布は嫌悪しています」
真剣なまなざしは彼の人柄を表しているかのようだった。
だから燈子はようやく口を開く。
「颯雅様の婚約者は、本当は私なんです」
「やはりそうでしたか」
「やはり?」
聞き返すと、彼は少し口元を緩めた。
「同伴での出勤、綾月大尉の態度などなど。番記者はみな察していましたよ」
言われて、燈子は恥ずかしくなってしまった。
「それでも報じていませんでした。どの社も特報は欲しいですが、軍と公爵に睨まれるのも厄介です。しかしこうなると先に報道しておくべきだったかもしれません。報道の正義が捻じ曲げられた状況は私としても不本意です」
「報道の正義、ですか……」
「東日新報さんはゴシップや虚報が多いですからね、前からいい加減なソースで煽情的な記事を書いていました。それにしても妹を婚約者にでっちあげたのは理解できません。その上、自作自演と……売り上げ至上主義だ」
吐き捨てた彼は眉間にしわを寄せた。
「不思議なのは、綾月大尉と公爵がどうしてあなたを正式な婚約者と発表しないのか、です」
「きっと、私を守るためです」
燈子を世間のさらしものにしないために颯雅がストップをかけてくれているのだろう。彼は何度も新聞に書かれ、その影響を骨身にしみてわかっているはずだ。
「それは理解できます。記者たちは取材対象に遠慮がない者が多い。発表されればあなたが傷つく場面も出てくるでしょう。たとえば一度持ち上げて、人気が出たところで叩き落とす。ゴシップを書く者の常套手段ですよ」
廉次の嫌悪が色濃くなった。
真剣なまなざしは彼の人柄を表しているかのようだった。
だから燈子はようやく口を開く。
「颯雅様の婚約者は、本当は私なんです」
「やはりそうでしたか」
「やはり?」
聞き返すと、彼は少し口元を緩めた。
「同伴での出勤、綾月大尉の態度などなど。番記者はみな察していましたよ」
言われて、燈子は恥ずかしくなってしまった。
「それでも報じていませんでした。どの社も特報は欲しいですが、軍と公爵に睨まれるのも厄介です。しかしこうなると先に報道しておくべきだったかもしれません。報道の正義が捻じ曲げられた状況は私としても不本意です」
「報道の正義、ですか……」
「東日新報さんはゴシップや虚報が多いですからね、前からいい加減なソースで煽情的な記事を書いていました。それにしても妹を婚約者にでっちあげたのは理解できません。その上、自作自演と……売り上げ至上主義だ」
吐き捨てた彼は眉間にしわを寄せた。
「不思議なのは、綾月大尉と公爵がどうしてあなたを正式な婚約者と発表しないのか、です」
「きっと、私を守るためです」
燈子を世間のさらしものにしないために颯雅がストップをかけてくれているのだろう。彼は何度も新聞に書かれ、その影響を骨身にしみてわかっているはずだ。
「それは理解できます。記者たちは取材対象に遠慮がない者が多い。発表されればあなたが傷つく場面も出てくるでしょう。たとえば一度持ち上げて、人気が出たところで叩き落とす。ゴシップを書く者の常套手段ですよ」
廉次の嫌悪が色濃くなった。



