だったら……。
前線に出ずにすむなら、このままでいてほしい。
民のために戦っているのはわかるのだけど、彼の命を危うくすることでもある。だから……。
思って、恥ずかしくなってうつむいた。
彼はみんなの幸せのために頑張っているのに。
昼間と言い今と言い、自分はなんてさもしいのだろう。こんな自分が幸せになる権利なんてあるのだろうか。
「どうした?」
「なんでもありません」
燈子は必死に笑顔を繕った。
翌日、颯雅と功之輔が出勤したのち、リビングで新聞を広げた燈子は顔をしかめた。
颯雅が自宅待機を命じられたと流言が躍っている。颯雅が駐屯所を昼過ぎに出て戻らなかったのを勘違いされたようだ。
病狗に襲われた真世は自作自演に巻き込まれた被害者として掲載されている。
新聞各社は否定する軍を事実の隠避だと非難し、欺瞞を暴くかのごとく報じている。
颯雅は今日も研究所に出勤だ。また新聞各社の憶測を呼ぶだろう。
泊まり込みになる、と電話連絡が来たのはその夜。
大変だな、と思った燈子だが、数日続くと不安が胸を占めるようになった。
たまにあるんですよ、とスエが慰めてくれた。
功之輔が颯雅の無事を請け合ってくれるから健勝に過ごしているのだろうが、姿が見えないのはやはり心細い。
自作自演と報じられたあとは犬のあやかしが現れず、さらに疑惑が濃厚になったと報じられている。
前線に出ずにすむなら、このままでいてほしい。
民のために戦っているのはわかるのだけど、彼の命を危うくすることでもある。だから……。
思って、恥ずかしくなってうつむいた。
彼はみんなの幸せのために頑張っているのに。
昼間と言い今と言い、自分はなんてさもしいのだろう。こんな自分が幸せになる権利なんてあるのだろうか。
「どうした?」
「なんでもありません」
燈子は必死に笑顔を繕った。
翌日、颯雅と功之輔が出勤したのち、リビングで新聞を広げた燈子は顔をしかめた。
颯雅が自宅待機を命じられたと流言が躍っている。颯雅が駐屯所を昼過ぎに出て戻らなかったのを勘違いされたようだ。
病狗に襲われた真世は自作自演に巻き込まれた被害者として掲載されている。
新聞各社は否定する軍を事実の隠避だと非難し、欺瞞を暴くかのごとく報じている。
颯雅は今日も研究所に出勤だ。また新聞各社の憶測を呼ぶだろう。
泊まり込みになる、と電話連絡が来たのはその夜。
大変だな、と思った燈子だが、数日続くと不安が胸を占めるようになった。
たまにあるんですよ、とスエが慰めてくれた。
功之輔が颯雅の無事を請け合ってくれるから健勝に過ごしているのだろうが、姿が見えないのはやはり心細い。
自作自演と報じられたあとは犬のあやかしが現れず、さらに疑惑が濃厚になったと報じられている。



