以前は燈子の今後のめどがついたら婚約を解消すると言ってくれた。だからきっと、すぐに捨てられるなんてことはないはずだ。
だというのに、妙に胸が苦しい。
彼に必要とされたい。一緒にいたい。
そんな気持ちが生まれて、だけどそんなわがままが許されるとも思えない。
夜、彼は予告通りに遅く帰ってきた。
彼は無表情で食事をとり、先に済ませていた燈子は同席してお茶を飲む。
「お前の妹の事情聴取があったが、なにか隠しているようだと聞いた。心当たりはないか?」
「心あたり……」
首をかしげる燈子を、颯雅は黙って見ている。
真世は昨日の事件の聴取に「なにも知らない、自分は襲われた被害者よ」と泣くばかりだ。
あのとき、あやかしは一瞬、真世を颯雅のもとに逃がすかのような動きをしたように見えた。あのときの違和感が消えないでいる。
「以前、あやかしと通じている気配はなかったか?」
燈子は首を振った。
「私があの家にいたころにはなにも」
あやかしと通じていたなら、自分の命はとっくになかったように思う。
「あの女はどういう人物だ?」
「どう、と言われましても……私にはいつも意地悪でしたけど、学校では友達もいるようで、ほかの人からは普通に見えると思います」
「そうか」
落胆する様子から、颯雅が期待した答えを出せなかったことがわかった。
「研究所のほうはいかがでしたか?」
「なにもわからず仕舞いだ。人型だと動きが鈍くて差し障る。前線に出られなくなるかもしれない」
顔をしかめる颯雅に、燈子は目をみはった。
だというのに、妙に胸が苦しい。
彼に必要とされたい。一緒にいたい。
そんな気持ちが生まれて、だけどそんなわがままが許されるとも思えない。
夜、彼は予告通りに遅く帰ってきた。
彼は無表情で食事をとり、先に済ませていた燈子は同席してお茶を飲む。
「お前の妹の事情聴取があったが、なにか隠しているようだと聞いた。心当たりはないか?」
「心あたり……」
首をかしげる燈子を、颯雅は黙って見ている。
真世は昨日の事件の聴取に「なにも知らない、自分は襲われた被害者よ」と泣くばかりだ。
あのとき、あやかしは一瞬、真世を颯雅のもとに逃がすかのような動きをしたように見えた。あのときの違和感が消えないでいる。
「以前、あやかしと通じている気配はなかったか?」
燈子は首を振った。
「私があの家にいたころにはなにも」
あやかしと通じていたなら、自分の命はとっくになかったように思う。
「あの女はどういう人物だ?」
「どう、と言われましても……私にはいつも意地悪でしたけど、学校では友達もいるようで、ほかの人からは普通に見えると思います」
「そうか」
落胆する様子から、颯雅が期待した答えを出せなかったことがわかった。
「研究所のほうはいかがでしたか?」
「なにもわからず仕舞いだ。人型だと動きが鈍くて差し障る。前線に出られなくなるかもしれない」
顔をしかめる颯雅に、燈子は目をみはった。



