婚約者は狼神!? 帝国の守護神の通訳として雇われた私、なぜか溺愛されてます!

「待ちなさい」
 麻子が追いかけ、颯雅は冷めた目で見送った。
 うろたえる正雄に今後の日程を確認していると、ばたばたと麻子が戻ってきた。

「真世が外に出てしまって。あやかしに狙われているのに!」
「なんだと!?」
 颯雅はすぐに門に行き、控えていた警備の兵士に詰問する。

「警備対象が外に出たと聞いた。警備はなにをしていた!」
「ちょうど交代の時間で一瞬、人がいなくなっておりまして……」
 颯雅は舌打ちした。
 ありえない初歩的な失態だ。どれほど気が緩んでいるのか。あとで特訓してやらねばならない。それはともかく今は。

「応援を呼べ。軍用犬も出動させて対象をすみやかに捜索、保護しろ」
「はい!」
 敬礼を返し、警備のひとりが本部に連絡をとるべく走っていく。

「俺も探しに行く。燈子はここで待て」
 言うなり、彼は返事を待たずに走り出す。
 その背を見送ったあと、燈子は小走りに走りだした。
 探索の人手は多いほうがいいはずだから。