翌日にはまた真世からの手紙が届いた。
燈子への罵倒に続き、襲われた自分への悲嘆が続き、颯雅に警護される喜びと自慢が綴られている。本当に愛されているのは私、報道を否定しないのが証拠、記者が家に押しかけてくる、と嬉しげだ。最後にはまたりんごの木について触れられていた。いつ切ろうかと算段している、と。
こんな人を颯雅が警護しているのかと思うとひどく気が重くなる。
不快にさせるための手紙だとわかっている。だというのに読まずにいられない。読んで、母の木がまだ無事だと安堵すると同時に、あきらめてくれない現実にため息が出る。
だけど、そんなのは小さなことだ、と自分に言い聞かせる。
今、安穏と過ごしていられる。それは颯雅のおかげだ。
疲れて帰る彼のためにも、笑顔で出迎えたい。
スエに颯雅の食事を作りたいと申し出ると、それならばと作らせてくれた。
今までにないくらいに心をこめて料理を作って彼を待った。
功之輔は残業で遅く、帰ってから人の姿になった颯雅と先に夕食をいただいた。
夜の警備は別の者が担当なので、こうして一緒に食べられるのだが、颯雅はふと手を止めた。
「なにか気鬱があるのか。暗い顔をしている」
「大丈夫です」
はっとした燈子は無理に笑顔を作った。
「大丈夫ではないから聞いている。話せ」
「いえ……」
「お手紙のせいだと思います」
スエが渋い顔で口をはさんできた。
「不躾に申し訳ございません。ですが、燈子様はいつも妹様からのお手紙をお読みになられたあとにふさいでおいでです」
「大した内容じゃないです」
燈子は首を振ったのだが。



