けがを恐れず次々と屠る。逃げてもその足で追いつき、とどめを刺す。
彼は激怒した。
あいつは狼。犬の眷属であるにも関わらず犬を殺すとは、非道にもほどがある。自分より上位の存在として国民から崇敬を得ているのも気に食わない。
犬をどんどんあやかしにしてさらに人々を襲わせるが、颯雅に次々と阻まれる。
「許されないことだ」
彼は歯ぎしりした。
俺の幸せを阻むなど。家族を殺すなど。
だが、颯雅は強い。物陰から戦う姿を見たことがあるが、自分は勝てないだろう。もっと妖力を蓄えるかなにか、対策をしなくてはならない。
噂に聞けば生まれたときから狼で、公爵の子息で、大切にされて育ったという。帝の血筋で軍にも特別待遇で入隊した。孤児だった自分とは大違いすぎる。
異形に生まれたなら、我らの側であるはずだ。裏切り者にしか思えない。
あいつには思い知らせなければならない。これ以上はないくらいのどん底に落として、それでようやく公平だ。だが、どうやって。ただ殺すだけでは飽き足りない。この上もなく苦しませ、生まれたことを後悔させてやりたい。
そう考えていたとき、士郎に出会った。
士郎の提案は悪くなかった。
「愛する者が殺されたほうがつらい。だから周囲の者を狙えばいい」
人間らしい下劣な考えだが、道理だ。家族だった犬を殺されたとき、自分はこの世が終わったかと思うほどつらかった。
だから士郎に颯雅のことを詳しく調べさせた。
颯雅は軍人、父親も軍人で、母親はずっと家の中。だから簡単には狙えないという。
彼は激怒した。
あいつは狼。犬の眷属であるにも関わらず犬を殺すとは、非道にもほどがある。自分より上位の存在として国民から崇敬を得ているのも気に食わない。
犬をどんどんあやかしにしてさらに人々を襲わせるが、颯雅に次々と阻まれる。
「許されないことだ」
彼は歯ぎしりした。
俺の幸せを阻むなど。家族を殺すなど。
だが、颯雅は強い。物陰から戦う姿を見たことがあるが、自分は勝てないだろう。もっと妖力を蓄えるかなにか、対策をしなくてはならない。
噂に聞けば生まれたときから狼で、公爵の子息で、大切にされて育ったという。帝の血筋で軍にも特別待遇で入隊した。孤児だった自分とは大違いすぎる。
異形に生まれたなら、我らの側であるはずだ。裏切り者にしか思えない。
あいつには思い知らせなければならない。これ以上はないくらいのどん底に落として、それでようやく公平だ。だが、どうやって。ただ殺すだけでは飽き足りない。この上もなく苦しませ、生まれたことを後悔させてやりたい。
そう考えていたとき、士郎に出会った。
士郎の提案は悪くなかった。
「愛する者が殺されたほうがつらい。だから周囲の者を狙えばいい」
人間らしい下劣な考えだが、道理だ。家族だった犬を殺されたとき、自分はこの世が終わったかと思うほどつらかった。
だから士郎に颯雅のことを詳しく調べさせた。
颯雅は軍人、父親も軍人で、母親はずっと家の中。だから簡単には狙えないという。



