柊太の代わりに僕が戦場に行くべきだった。
死ぬなら、柊太じゃなくて僕であるべきだ。
そういう意味のことを言われた気がしたのだ。
彼女がそう意図して言ったのかどうか、本当のところは分からない。
ただ、僕に限らず、彼女の柊太を想う気持ちを知る者ならば誰でも、そういう真意を読み取ることができたのではないだろうか。
現実の残酷さにふとこぼれそうになった涙を彼女に見せまいとして、僕はなおさら顔を上げようとしなかった。
それで僕もまた入隊希望を出し、両親の心配をよそに徴兵検査を受けることになった。
結果、入隊許可は取れたが、目が悪かったせいか、あるいは身体が小さかったせいかもしれない。
僕は、最前線から離れた通信部に回された。
それからなおも海岸部を中心とした戦闘が続いていたが、やがて重い腰を上げたNATO軍の参戦で我が国は領土奪還を果たし、年明けには終結となった。
が、戦友らに誘われるまま除隊したその足で僕は首都近郊へ向かい、そこで紹介された仕事に就き、故郷には帰らなかった。
死ぬなら、柊太じゃなくて僕であるべきだ。
そういう意味のことを言われた気がしたのだ。
彼女がそう意図して言ったのかどうか、本当のところは分からない。
ただ、僕に限らず、彼女の柊太を想う気持ちを知る者ならば誰でも、そういう真意を読み取ることができたのではないだろうか。
現実の残酷さにふとこぼれそうになった涙を彼女に見せまいとして、僕はなおさら顔を上げようとしなかった。
それで僕もまた入隊希望を出し、両親の心配をよそに徴兵検査を受けることになった。
結果、入隊許可は取れたが、目が悪かったせいか、あるいは身体が小さかったせいかもしれない。
僕は、最前線から離れた通信部に回された。
それからなおも海岸部を中心とした戦闘が続いていたが、やがて重い腰を上げたNATO軍の参戦で我が国は領土奪還を果たし、年明けには終結となった。
が、戦友らに誘われるまま除隊したその足で僕は首都近郊へ向かい、そこで紹介された仕事に就き、故郷には帰らなかった。



