あすかは、ウキウキしていた。明後日、大輝としのぶ3人で、キャンプに、行く予定だった。



「それで、なんで、私は、誘ってくれないの?」

とはるかが、大輝に言った。同級生の雄大が、はるかに、教えたのだ。



「言ってなかったっけ?」大輝は、とぼけた。まさか、あすかに言われてとは、言えない。



「私も加えてよ!」あすかが大輝に懇願した。困った大輝。後ろに、怒りのオーラを感じている。



「あすか、人数多い方が、楽しいんじゃないか?」と話す大輝。



「お願い、あすか、まだ、クラスメイトに慣れなくて」とはるかは言った。



あすかは、心の中で「この、魔性の女」と思いつつも、承諾した。



その時に、明子先生が、教室に入ってきた。

「あら、あんたたち、キャンプに行くの?保護者は、いるの?」と尋ねた。



「先生、お願いします。」と言ったのは、大輝。

大輝は、揉め事は、ごめんだと思っていた。



「いいわよ。先生も着任して、浅いし、車を出すわよ?」



ここから、身近なキャンプ場は、少ない。4人は、明子先生にお願いした。



キャンプ場に行く当日となった。大輝の家の前で4人は集まった。



「さあ、出発よ!」と言って、明子先生は、車を

走らせた。

「先生、この車の名前は?」と大輝。

「ヴォクシーターボV8気筒エンジンよ!」



「ファミリーカーに、ターボがついてるんですか?」と大輝が、尋ねた。

「特別仕様車よ」と明子先生は、自慢げに言った。



高速に入った。「飛ばすよー!」と明子先生。

4人は、椅子に押し付けられた。黙っていると、

いつのまにか、4台か5台追い抜いた。



明子先生は、運転が、上手だった。日頃のうっぷんを、晴らすかのように、アクセルを、踏み込んだ。



高嶺キャンプ場についた。目の前は、海である。

テントは借りた。飯ごうで、お米も炊ける。



今の時間は、午後三時。ひと泳ぎできそうである。明子先生含め、5人は、水着をきた。



なんといっても、明子先生のスタイルは、抜群である。付近の男性も、目を止める。ビキニを、はくところ、まだ、20歳と見ても、見間違いをしそうだ。



大輝が、先生を、ウットリと見ていたら、あすかが、大輝の耳を引っ張った。



「イテテ?」と大輝。

「そうやって、フラフラするからよ。」

ちなみに、あすか、しのぶ、そして、はるかも、ビキニだった。



3人とも、高校生にしては、スタイルは、良い。

はるかが、耳打ちした。

「遊びにいこ〜よ!」大輝は、迷った。だが、相手は、大輝にとって、ファーストキスの相手。



まだ、幼馴染の二人とは、したことがない。

「俺、ちょっとトイレに行ってくる」といつもの手を使った。

はるかも、いつのまにか消えていた。



残された、あすかとしのぶ。

「大輝のやつ、私たちを、裏切ったわよ。」とあすか。

「あんなやつ、地獄に落ちれば、いいのよ。」としのぶ。



「ねえ、せっかく海に来たんだから、泳ごうよ。」としのぶは、あすかに言った。

「うん。」とあすかは、いって、砂浜に向かった。



「あすかがいない」としのぶは言った。気がついたら、あすかがいない。



「どこに言ったのかしら?」

その頃、明子先生が、溺れかけていた、あすかを

救助していた。やはり、明子先生は、生徒たちを見ていた。



「先生、俺に任せてください。」大輝が、突如現れた。大輝は、本当にトイレに行っていた。



どうやら、心肺蘇生法が、あすかには、必要だ。

大輝は、体育に時間で、習ったことがある。



何より、あすかを、救いたい。

明子先生が、時間を測った。三十秒ごとに、人工呼吸と胸骨を押した。



「あすか、まだはやい。」と声をかけつつ、両手を重ね、胸骨を押す。



「はい。三十秒」と明子先生が言った。今度は、人工呼吸。漏らさないように、あすかの口に、息を入れる。



いつのまにか、しのぶとはるかも、来ていた。

「あすかー」としのぶ。はるかは、人工呼吸の役をした。



はるかは、「お願い」と叫んだ。



「ブホ、ブホ」と言って、肺に溜まっていた水を吐いた。」



しのぶが、背中をなぞった。大輝は、手を止めた。



あすかは、全員の働きで、助かった。泳ぎは、苦手でなかったが、背の届かないところで、すくわれてしまった。



「ごめん、みんな、心配かけて。」

「まだ、話さなくて、いいから」と明子先生。



君はネバーランドの夢を見る。