「想い」

「すきです」

そう言ってきた君の耳は真っ赤に染まっていたことを忘れることはないよ。

君はクラスの人気者。
私は教室の隅でずっと本を読んでいるモブ。

叶わない恋だと思っていた。
ヒーローはヒロインとくっつくのが物語のお決まり。

「私も好きですした。付き合ってください!」

そう言うと君は息を吐いてしゃがんでしまった。
その時、私はものすごく焦ったんだよね。

やっぱり、罰ゲームだった?
そんなネガティブな考えが頭の中を埋め尽くした。

「・・・それ、俺が言いたかったのに」

そう言って拗ねたように言った君。
その時、可愛いって初めて男の人に思った瞬間だった。

君は私に色んな「はじめて」をくれた。

はじめての「彼氏」

はじめての「キス」

はじめての「デート」

はじめての「お泊り」

そんな色んな「初めて」の一つ一つがうれしくて、一生の宝物になると思ってた。


「好きな人ができた。別れてくれる?」

だけど、私は今君にサヨナラを告げている。
君は今にも泣きそうな顔をしながらも「いいよ」それだけ言った。

ごめん、ごめん。
私、もう君がくれた宝物を持てなくなっちゃった。

これから君がくれる宝物、今までの宝物全部、手から滑り落ちてくんだ。
だけど、これだけは過信していい?

君の「いいよ」には「嫌だ」があったって。
君を見てきたんだ。好き、だから分かった。

でも、ごめん。
もう無理なんだよ。

「ごめん、好きだったよ」