「想い」

恋をした。
恋をした瞬間、失恋した。

「おはよう」

あなたは私の想いに気付かず、恒例のように私の頭を撫でる。

一年前のあの日、出会って。
逃げだした私のことも、大切にしてくれようとした。

そんなあなたを好きになった。
でも、私とあなたは家族で。

あなたには大切なひとがいる。
こんな想い、なくなってしまえばいい。

何度も、何度も、消し去りたかった。
それでも、忘れることもなくすこともできなかった。

「・・・好きだよ」

「ん?なんか言った?」

いっそ、聞かれていた方が楽だったのかもしれない。
だけど、私はこの瞬間の幸せを手放せないから、

「なんでもないよ・・・義兄さん、」

私は、いつものように笑った。