事情を理解した上でその苦しみまで含めて笑いものにしている。
確かに卑劣なやり方だ。

「病院まで来るのは偶然会った時だけ？」
私からの質問にだいだらぼっちは首を左右に振る。

「ちゃうよ。通院日ってだいだい決まってるから、それに合わせてわざと病院に来て『あれ、ぼっちちゃん』とか声かけてくるねん。教室では完全無視やのにね。けどそれ見た看護師さんは嬉しそうに笑うねん『学校の友達？』って。

ウチ、そのとき否定できひんねん。嫌やのに無理やり笑顔になって『そうですぅ』って。そんな自分がもう嫌やねん。看護師さんも看護師さんよな？　ウチのあだ名ぼっちちゃんやで？　そんなんで友達かなんて、よぅ聞くわ」