* * * 「だから、私はずっと嘘を吐いていたの」 驚きに目を見開くレイに、今からでも取り繕いたくなってしまう気持ちを何とか抑え、私は真っ直ぐにレイを見つめた。 覚悟は、もう決めていた。嫌われても、たとえ友達にもう戻れないとしても、これだけは言わなきゃいけない。 「だから、レイ」 震える指をグッと握り込み、ガバッと頭を下げた。 「ずっと嘘を吐いていて、ごめん」 ──私は、ずっと言えなかった〝ごめんね〟を、ようやく告げることができたのだ。