数字をタップしてパスワードを入力していく。
けれどそれはすぐに弾き返されてしまった。
「ま、そりゃそうだよな。よし、次」

思いつくパスワードを次から次へと入力していく。
英数字を組み合わせ、組み替えて何度も何度も。
「次は配信を開始した日にトミーの名前をローマ字にして入力っと」

ログインボタンをタップした瞬間、画面が切り替わった。
今までのように【ログインできませんでした】という文字は出てこず、エックスの編集画面が表示される。
「ビンゴだ!」

達也がガッツポーズで声を上げる。
「まじかよ、すごいなお前」
「まぁな。ってか、こういうのやったの初めてだから自分でもすっげービックリしてる」

笑っている達也からスマホを受け取り、すぐにダイレクトメッセージを開いた。
さすがインフルエンサーだけあって、交流は多岐に及んでいることがわかった。
テレビ局、新聞社、雑誌社、ラジオ番組。

トミーがこれから出演予定だった番組も何本かあるようで、関心してしまう。
「これか……?」

その中で気になったメールがいくつか見つかった。
それは一般人からのメールで開いてみるとトミーへの誹謗中傷が一方的に送られてきているみたいだ。