シャワーを浴び、服を借りて着替え、今夜はここ、雪哉の部屋に泊まる事にした。
「ねえ、神田さんにちゃんと話そうよ。今、電話する?」
俺がそう言うと、
「ああ、うん。そうだね」
ちょっと気が進まなそうな雪哉。そりゃそうだよな、別れ話だもんな。
「こういう事は、早めに処理しておいた方がいいぞ」
俺が真面目にそう言うと、
「涼介の数多なる経験によると?」
雪哉が茶化す。
「まあ、そんなとこだ」
実際、俺の経験から出た言葉なのだ。雪哉は神田さんに電話を掛けた。
「もしもし神田さん?バイバイ」
は?横にいる俺がビックリ。
「僕、涼介とつき合う事にしたから、神田さんは心置きなく友加里ちゃんとつき合っていいよ。あ、今ここに涼介がいるから、スピーカーフォンにするね」
すると、神田さんの声が聞こえた。
「なにー?やっぱりそういう事になったのか。涼介め」
というセリフの割に、神田さんの声は優しく、ちょっと笑っているようだった。
「あ、えーと、涼介です。神田さん、ごめん。そういう事だから」
「涼介お前、雪哉とは今までみたいな適当な付き合い方するんじゃねえぞ」
「分かってるよ。俺、今までとは全然違うんだ。雪哉の事は本気だから。ちゃんと、雪哉の事を大切にするよ」
こんな、普段なら背中がむずむずしてしまうようなセリフを、雪哉本人の目の前で、顔を見ながら言っている俺。あー、なんかラブだな。青春だな。
「そうか。頼むぜ」
神田さんが言う。
「神田さん、今までありがとう。すごく感謝してるよ。友加里ちゃんとお幸せにね」
雪哉がそう言った。
「……泣かせんなよ。お前はやっぱり特別だよなぁ。あ、言っとくけどな。俺は浮気してはいなかったぞ。ちゃんと節度を守っていたんだからな」
「うん」
雪哉は返事をした後、涙を一筋流した。
「じゃあね、バイバイ」
そう言って、雪哉は電話を切った。俺も何だか切ない。涙を流した雪哉の事を、そっと抱きしめた。それにしても、俺と雪哉が上手く行ったのは友加里のお陰だ。俺はこっそり友加里にメッセージを送った。
『こっちも上手く行ったぞ!友加里のお陰だ。サンキュー!そして、そっちもおめでとう!』
すると、友加里からはVサインのみの返信が来た。シンプルだな。やはり、あちらも上手く行っていたという事だ。神田さんは、浮気はしていないと言ったが、それはまだ寝ていないという意味であって、言葉の上では既に2人は出来上がっていたのだろう。雪哉と神田さん、どっちが先に浮気したのか議論になるな。いや、本人達が気にしていないのだからいいのか。
あー、これで万事上手く行く、と思ったのだが……また新たな試練が訪れる事に、俺はまだ気づいていなかったのだった。
「ねえ、神田さんにちゃんと話そうよ。今、電話する?」
俺がそう言うと、
「ああ、うん。そうだね」
ちょっと気が進まなそうな雪哉。そりゃそうだよな、別れ話だもんな。
「こういう事は、早めに処理しておいた方がいいぞ」
俺が真面目にそう言うと、
「涼介の数多なる経験によると?」
雪哉が茶化す。
「まあ、そんなとこだ」
実際、俺の経験から出た言葉なのだ。雪哉は神田さんに電話を掛けた。
「もしもし神田さん?バイバイ」
は?横にいる俺がビックリ。
「僕、涼介とつき合う事にしたから、神田さんは心置きなく友加里ちゃんとつき合っていいよ。あ、今ここに涼介がいるから、スピーカーフォンにするね」
すると、神田さんの声が聞こえた。
「なにー?やっぱりそういう事になったのか。涼介め」
というセリフの割に、神田さんの声は優しく、ちょっと笑っているようだった。
「あ、えーと、涼介です。神田さん、ごめん。そういう事だから」
「涼介お前、雪哉とは今までみたいな適当な付き合い方するんじゃねえぞ」
「分かってるよ。俺、今までとは全然違うんだ。雪哉の事は本気だから。ちゃんと、雪哉の事を大切にするよ」
こんな、普段なら背中がむずむずしてしまうようなセリフを、雪哉本人の目の前で、顔を見ながら言っている俺。あー、なんかラブだな。青春だな。
「そうか。頼むぜ」
神田さんが言う。
「神田さん、今までありがとう。すごく感謝してるよ。友加里ちゃんとお幸せにね」
雪哉がそう言った。
「……泣かせんなよ。お前はやっぱり特別だよなぁ。あ、言っとくけどな。俺は浮気してはいなかったぞ。ちゃんと節度を守っていたんだからな」
「うん」
雪哉は返事をした後、涙を一筋流した。
「じゃあね、バイバイ」
そう言って、雪哉は電話を切った。俺も何だか切ない。涙を流した雪哉の事を、そっと抱きしめた。それにしても、俺と雪哉が上手く行ったのは友加里のお陰だ。俺はこっそり友加里にメッセージを送った。
『こっちも上手く行ったぞ!友加里のお陰だ。サンキュー!そして、そっちもおめでとう!』
すると、友加里からはVサインのみの返信が来た。シンプルだな。やはり、あちらも上手く行っていたという事だ。神田さんは、浮気はしていないと言ったが、それはまだ寝ていないという意味であって、言葉の上では既に2人は出来上がっていたのだろう。雪哉と神田さん、どっちが先に浮気したのか議論になるな。いや、本人達が気にしていないのだからいいのか。
あー、これで万事上手く行く、と思ったのだが……また新たな試練が訪れる事に、俺はまだ気づいていなかったのだった。



