この映像を観た事ある方はいませんか?




《注意》






これは 某SNSの私のタイムラインに流れて来ていた



@nx404-x#さんの投稿をまとめたものです。







追記
こちらのアカウントはもう存在しません。














【お願い】

とある映像を探しています。





今から20年以上前、某局でやっていたバラエティ番組の中の投稿映像を観るコーナーで流れていたものです。




真っ暗なトンネルの前で花柄のワンピースの女性が一人こちらを指さして立っている映像です。



探しています。

どうかお願いします。







私は、小説家を目指しています。




ジャンルはホラー小説と呼ばれるジャンルです。





なぜ、そのジャンルを目指したかというと小さい頃からオカルトが大好きだったからでした。



ホラー映画、ホラー漫画、怪談、心霊写真




ともかくそういったモノには昔から目がありませんでした。



そんな私が今でもずっと忘れられない映像があるんです。




今よりずっとコンプライアンスなどがゆるく、ゴールデンという時間帯でも心霊写真やホラーの特番が放送されていた時代。




当時、私はまだ小学生でした。




とあるバラエティ番組に視聴者の撮った衝撃映像を募集して放送するコーナーがあったんです。



スタジオ観覧形式の番組で、スタジオにいる観客、司会の芸人、ゲストのアイドル達で送られて来たビデオ映像を観るそんな内容だったと思います。






その頃は今のようなスマホで動画を撮るなんて事は出来ませんでしたが、家庭用ビデオカメラが普及しだし、子供の行事やちょっとしたイベントを撮影する人も少なくありませんでした。



そんな時代、かの番組の視聴者ビデオコーナーは大変な人気があり、私もその番組を毎週楽しみにしていました。





そして、その番組で私は忘れられない映像を観たんです。




場所は暗いトンネル。

……だったと思います。



すいません、何せ昔の記憶過ぎて
あまりハッキリとは覚えてなくて……


でも、確か……
くすんだ色の花柄のワンピースを着た女性が一人立っている映像でした。



最初は音声はいっさいなく、ただゴーという風の音だけがしていた様に思います。



風が強く吹いているからか長い黒髪で女性の顔は覆われてその顔はハッキリとはわからないのですが、髪の間から真っ赤な口紅に彩られた唇だけが動いているのはわかったんですね。



やがて、ゆっくりと女性の右手が上がり……




ゆっくりゆっくりとその人差し指がコチラに向けられるのです。



そうして……








『あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………』






女性が突然、絶叫したのです。





観客席からは悲鳴があがり、アイドルの女の子は泣き出して、スタジオはパニック状態となりました。


私もなんだか恐くなって、慌てて隣室にいる母を呼びに行った事は覚えています。




スタジオで泣き出したアイドルの……確かKさんはこの番組のあとに失踪し、噂では自殺しと言われていました。



あれだけスタジオから悲鳴が上がり、私も子供心に大変恐怖したアノ映像……




あれは何だったんでしょうか。



幽霊だったのでしょうか?


それとも、人間ですか?




またもし、俗に言うアレが番組側のヤラセだとしたらあの映像の意図は一体何だったのですかね?



その真実を知りたいのです。



興味、もちろんそれもあるとは思います。



私のこれから書く作品へ生かしてみたい、というもっともらしい理由も……




そして、その為に……
私はどうしてもその映像がもう一度観たいのです。




ただ、こうして待っているだけでは先が進む気はしないので自ら動いていこうと思います。




もう一度映像を観る為に私がまずしたのは、他にこの映像を観たり知っている人間が周りにいないか、という事の確認でした。





私には佐野という旧友がいます。


彼はカナリのオカルトマニアでした。




好きがこうじて以前はオカルト雑誌の編集部にいた事もあり、ホラー映画や漫画、ゲームや心霊映像の類までおそらく私の知り合いの中では彼が一番そういった事に興味があり知識もある友人です。



私は佐野にすぐ連絡をとりました。
彼は私の話しにカナリ興味津々ですぐに会おうという事になったのです。




佐野に会ったのは彼の働く小さな出版社近くの古びた
喫茶店でした。


以下からは私達の会話を交えています↓


「おう……最近どうだ?」

「まあな、まずまずってとこだ」




適当な会話をするとすぐに本題へと移ります。



「メッセージでも送ったが、子供の頃に観た映像をどうしてももう一度観たいんだ」


「ああ、その番組ならオレも子供の時に観ていたよ、残念ながらその映像を観た記憶は無いけど」


「動画サイトなんかでも探したんだが、古過ぎて見つけられなかったよ」





「だろうな~、30年以上前だろ? 個人でたまたま録画していて所有してる人を探すしかないんじゃないか? もしくは、SNSで呼びかけてみるとかは?」




SNSを使うのは確かに有効な手段だとは思いましたが、生憎私はその手のものには疎いのです。



「フォロワー数の無いアカウントで発信したとこで、たかがしれてるだろ?」


「う~ん、なら試しにウチの雑誌のアカウントで発信してみるか? 食いつく読者もいそうだしな」




佐野が現在働いているのは、いわゆるゴシップ雑誌といわれる芸能人の噂やらスキャンダルなんかを取り扱うものです。



オカルトはやめたのか? と以前転職の際に聞いたら……



『コッチのが金になるんだよ』と



苦笑まじりに清純派アイドルの不倫記事を指さしていたのが印象深かった事を覚えています。



「オカルト雑誌でもないのにか?」



佐野は電子タバコを深く吸いニヤニヤと笑みを浮かべていました。


「いやいや、いいんだよ最近はそういうネタもウケが良いんだ、もともとウチは話題になるならなんでも記事にしてるから、金にはならんがオカルト系は一定数の人気があるんだよ」



「そうなのか?」



「今はSNSだのショート動画だのの影響で、所謂ホラー系は食いつきが良いからな……」



そう言って佐野はスマホの画面を何度か指でなぞり、
私の方へとその画面を向けてきました。





【ある映像を観た事ある方を探しています】


今から20年以上前、某局でやっていた
バラエティ番組の中の投稿映像を観るコーナーで流れていたものを探しています。

真っ暗なトンネルの前で花柄のワンピース姿の女性が立っている映像です。



お心当たりの方はご連絡をお願いします。



「こんなんで良いか……? コレ投稿するな」



私の了承を確認する事もなく、親指の動き一つで
その投稿は世界に放り出されてしまいました。



「まあ、でも本当に反応があるかどうかはわからないからな」



佐野がそう呟いてスマホをテーブルに置いた




その瞬間……



━━!


甲高い電子音がスマホから響き……


私と佐野の視線がスマホに向けられると同時に、先程の電子音がけたたましい程に鳴り続けたのです。


電子音は止まる事を知らず一瞬で
SNSの通知が3桁になっていました。




ようやく電子音が落ち着いた頃には、リプライは100件以上付いており、その一つ一つを早速、佐野と一緒に確認してみる事にします。





━ 映像気になります、どんなモノですか?

━ その番組って、毎週土曜日にやっていた芸人のAさんが司会のですかね?

━ 懐かしい! その番組観てました



ほとんどがその番組はコレじゃないのか?
という推測や、映像に興味があるから観たいという期待のコメントばかりで、映像を観た人や映像に関する情報は何もありません。


正直、思いきり肩透かしを食らった感覚です。



「まあ、最初はこんなもんだよ」



佐野は苦笑いを浮かべて、再び電子タバコを咥え言いました。





あれから
1週間程が経ちました━━




佐野から聞いたアカウントは常にチェックはしていましたが、やはりまだめぼしい情報が投稿される事はありません。



休日という事もあって、例の番組の事や番組内で紹介された投稿動画についてのまとめサイトなども何か手がかりが無いかと漁っていました。



所謂、心霊動画の様なモノを同番組ではいくつか取り上げられていたようでしたが、自分がもう一度観たいと思っているアノ動画の情報はどこにもありません。




あれだけスタジオからは悲鳴も上がっていたし、失踪したという噂のアイドルKさんの話もあります。


何かしら話題になっていてもいいものなのに……



なんなら、ああいった恐怖映像ならトラウマになったと言う様な人がいてもおかしくはないはずです。




しかし、やはり有益な情報は特に見つからず空振りでした。



随分と昔の番組なので、観た人はおろかあの回を録画していて更に今もそれを持ってる人などやはりなかなかいないのかもしれません。





そもそも、今当時を振り返っても『アノ映像』
の記憶が本当かどうかも怪しくなって来ていました。





トンネル

ワンピースの女

コチラを指さす行為


もしかしたら別の映画やドラマで観たワンシーンなのかもしれない。


そんな気さえしてきております。


見つからない事への残念な気持ちと、どこか見つから無かった事に対する安堵も実は少なからずありました。



そんな相対する感情を抱きながら、また今日も佐野のアカウントを見ようとスマホの画面をスワイプしていた時です。



画面に 【非通知着信】



という表示がされたのは……



『非通知』普段なら絶対にとる事などは無いです。



しかし、何故なのかこの電話は取らないといけないという、おかしな強迫観念があったんです。



私はゆっくりとスマホの画面に耳をあてて、そうして電話向こうの相手に向けて


「もしもし……」


と、発しました。


『━━━━━………………っ』



耳障りな雑音がしています。




『…………ぁっ………………』



「もしもし? 」


『━━━━━━━━ぁぁぁっ……』



「すいません、電波が悪いみたいで……」



『━━━━━━━━あぁぁっ…………』



不快な雑音に紛れ、向こうから何か訴えている微かな声が聞こえる。



「もしもし?」







けれど、次に私の耳に聞こえたのは……










『……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁ…………………っ━━ツ━━━ツ━━━』










そうして電話は一方的に切れました。










ふと、スマホ画面に視線を落とすと……







真っ暗なスマホの画面に、こちらを指さして大きく口を開いた女が映っていました。





「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」





慌てた拍子にスマホが手から落ちてしまい、それとほぼ同時で床に落ちたスマホが小刻みに振動しだしました。






恐る恐る覗き込む画面には……



【 佐野 着信 】



と表示がありました。





震える手でスマホを拾い上げ、深く息を吐いて電話に出ると━━



「も、もしもし……」




『ああ、突然すまん……今、電話いいか?』



「……大丈夫……だけど……どうかしたのか?」



聞き覚えのある佐野の声に少しだけ安堵しました。



そうして、自分の中でさっき見たあの女の姿は気の所為だったのではないか、電話もただのイタズラ電話だったのかもしれない……




そう結論づけて落ち着きを取り戻してきていました。



『この前の動画の件なんだが……』




しかし、安堵する自分とは真逆で、佐野の声はいつもの軽口を叩く時の様なテンションではありませんでした。



どちらかといえばその口ぶりは重々しく、電話口から感じられる空気はとても重苦しいものでした。




「何かあったのか?」




『………………ああ……うん……』





佐野の解答は妙に歯切れが悪いものでした。





『…………その……ちょっとオマエに観て欲しいモノがあって……』



「観て欲しいって……? 何だよ? 電話じゃダメなのか?」



『ともかく……観てもらった方が早いと思うんだ…………』





コレ以上は答えてもらえそうにありませんでした。





その日の夕方━━






またアノ喫茶店で、私は佐野と会う事になったのです。








辺りの薄暗さも手伝ってか、再び会った佐野の顔はこの前の時よりも心無しか暗く、いつもの飄々とした雰囲気から程遠く感じられます。



まるで何かに怯えている様な…………



「急に呼び出してすまなかったな……」



「あっ、いや、それで見せたいモノって何だよ?」




佐野は無言でテーブルの上にノートパソコンを載せると、この前の時の様に画面をこちらに向けました。




「大学の後輩に山口ってヤツがいてさ、そいつが最近動画配信やってたんだ……よくあるだろ心霊スポットなんかを巡ってライブ実況なんかをする……それで……そいつさ、コレ撮影したあとに自殺したんだよ……」




「……自殺?」



「有名な都内の心霊スポットに潜入とかいって、それを配信したあとそのまま……コレがその時の動画なんだ……」






ディスプレイに映る動画の再生マークにカーソルを合わせるとエンターキーが押されます。





画面にノイズが走りだし暗闇の中、誰かの息遣いだけが聞こえてくるのがわかりました。





真っ暗な画面には最初、何本ものノイズが入りやがて周囲の雑音も聞こえてきます。




誰かが歩いている━━



青いスニーカーの足先が画面の端にたまに映り込み、少し足早な事が見てわかります。



薄ぼんやりとした明滅を繰り返す蛍光灯の明かりに照らされて、無機質なコンクリートの階段が映しだされていました。





どこかの廃ビルなのでしょうか?



時折見える階段に積もる埃やゴミから、そこはあまり使われてる様には見えませんでした。




足早に階段を降りながら、たまに落ち葉などを踏み締めてゆく音と、男性でしょうかゼーゼーと呼吸する音だけが流れています。




しばらくその音とノイズの走る真っ暗な画面が続き、やがて目の前に現れたのは━━




割れた窓ガラスと乱雑に積み上げられたダンボール箱……



それと……



部屋の中央に人影が見えました。








『マズイ…………っ!!』






映像の中の男性は、急に壁際に身を隠したのか画面は物陰から中を映しています。




何故か、ノイズが一層酷くなりました。




そして……


次の瞬間ハッキリと映しだされたものがありました。





「女…………」





思わずその言葉が口を付いて出ていました。




くすんだ花柄のワンピースを着た髪の長い女性。



こちらに背を向けて立っています。



画面にはたまに幾本ものノイズが走り、そしてカメラはその姿をズームしていきます。





『……ッダ……ロ……』





撮影者が何か小さく呟いていました。





『……ル? ドウス…………』





途切れ途切れに聞こえる声は何かを発してはいるのですが内容まではよくわかりません。





周囲の音がザーという雑音だけとなり状況は全くわかりません。





しばらくすると…………






画面の乱れが全て消えました。






しかし、そこには先程までいた女性も荒れたビルの様子も何も映っていませんでした。







ただただ真っ暗な画面が映っているだけです。







音声も……






いや、何かが微かに聞こえています。








耳を澄まして何を言っているのか聞こうとすると……

























『あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!!!!!!!!!』











「っ!!?」





絶叫━━!?







アノ女性の声なのかっ━━!?





思わず体をビクリとさせて、椅子から転げ落ちそうになりました。






いや、でもこの映像の場所はトンネルじゃない。





私の知るアノ映像とは全く状況が違っています。






記憶違い?





いや、絶対に私が昔見たのはこの映像ではないのです。




思わず佐野へ視線を向けると━━





「……ぷっ! アハハハハ…………」






動揺する私の様子を見て、あろう事か佐野は急に笑いだしました。






「どうだ? よく出来てただろ?」




佐野はいつものニヤニヤとした笑いをこちらに向けています。





「お前の話しを元に再現してみたんだよ? 怖かったか?」




私は体を起こし佐野を睨みつけてやりました。




「…………趣味が悪い」




「いや~っ、本当にここまで怖がってもらえたなら嬉しいよ、例の投稿、結構話題になってるだろ? だから編集長から色々せっつかれててさ、似たような動画を作って流したら更に話題になるかなって……」





佐野は自信たっぷりな様子でした。




「後輩の話しは?」



「あーっ……確かに、山口ってヤツが配信者なのは本当だけどさ、残念ながらピンピンしてるよ?」




体からは一気に力が抜け、安堵のため息が出てしまいました。




「しかし、ホンモノの映像を観た事があるお前がこれだけビビってんなら、コイツは認められたものだと言っても過言ではないよな……」





私は佐野に騙されて悔しい気持ちと、驚かされた事への怒りをぶつけたくなり、映像にダメ出しをしたくなりました。





「なんでコレ、トンネルじゃなく廃屋なんだ? アノ映像はトンネルの前だったんだぞ?」




「あーっ…………ああっ、時間が……時間が……無かったんだよ、ロケとか許可取り出来なかったんだ……」




「ふーん……」





それからもゴニョニョと何か言い訳らしき事を呟きながら、取り繕う様な笑みを浮かべていました。




「なあ……ところでさ、この女…………似てたか?」




「えっ?」




「そ、そのお前が観たって映像の女と……」




「いや、どうかな? そりゃ確かに雰囲気は似てると思ったけど……」





何分古い記憶だから若干の齟齬はあるかもしれません。





女性の容姿についてハッキリと覚えている事は




『髪の長いワンピース』


という事だけ。



それだけは鮮明に覚えています。




「似てないのか?違うのか? どうなんだ?」



なんだか酷く佐野は狼狽している様に見えました。



「おい、どうした? 見た目が似ているかどうかってそこまで気にする事か?」




「……いや、何でもない……何でもないんだ」




そこから押し黙ったきり、佐野は何も答えませんでした。





多少の違和感を覚えながらも、その日はそこで彼と別れました。







そして……


この日が私が佐野と会った最後でした。







佐野と会ってからまた数日が経っていました。





例の投稿は瞬く間に拡散され、大きな話題となっていました。



SNSや動画投稿サイトでも例の動画を探そうとする人が一気に増え、動画を特定しようとする人、自分の知り合いにその動画を観た人がいるという人、または当時の番組を録画したテープを持っている人、など核心に迫る様な投稿もいくつかありました。


けれど途中で連絡が途絶え音信不通になっただとか、勘違いだったとか……結局それ以上は何も進展はありません。



私の記憶にある動画にはやはり結びつきませんでした。




色々な考察がされたり、ついには話を元に似せて作ったフェイク映像まで出回っていました。







しかし、佐野の映像はその中にはありませんでした。








佐野とはあれきりなんのやり取りもしてはいません。







しびれをきらし、私は佐野に電話をかけました。



数回の呼び出し音のあと、聞き慣れた声が返答しました。




『モシ……モシ……』


声はどこかくぐもっています。



電波状況の悪いトコロにでもいるのでしょうか?




「佐野か? もしもし?」



『…………っ……はい』




「なんか電波が悪いみたいだけど、どこにいるんだ?」





『…………ハイ…………クダヨ』




やはり声は良く聴き取れません。



私は、ともかく要件だけ伝えようとしました。




「あのさ、この前の映像の事なんだけど……」




『…………ハイ…………ゴクダヨ……』




なんだか様子がおかしいのです。





「もしもし? 佐野? よく聞こえないんだけど」






『ハイ…………イマ……地獄ダヨ……』






「えっ…………」







『あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁっ…………』







私は動転してスマホを床に勢いよく投げ捨てました。








ようやく落ち着いてきた頃には、耳に微かに終話を告げる
『ツ━━……ツ━━……』という音が聴こえて来ていました。








翌日━━





私は、以前佐野からもらった名刺を頼りに彼の働く出版社に電話をかけてみました。



『はい、━━出版です』



落ち着いた雰囲気の女性の声が電話口から聴こえました。



「あっ、すみませんわたくしそちらで記者をしている佐野の……」



と、そこまで私が言いかけたところで……



『佐野さんとはコチラも連絡が付かなくて……』



「えっ? つかないってどういう?」



一瞬、頭が真っ白になりました。


ともかく少しでも詳しい話を聞いておこうと思い、佐野とは学生時代から交流がある事や、少し前に内容は伏せたが彼にとある案件を頼んでいたこと等を伝えました。



『そうだったんですね……もう1週間以上こちらには出勤してないんですよ……取材のアポを取ってたモノも急に全部キャンセルにして』



「そうでしたか……あの、最後に佐野と会ったのはいつぐらいでしたか?」



『えっと……確か、最後に会ったのは山口さんのお葬式の時だから……』



「山口って……もしかして、廃ビルの配信していた?」


『そうです……山口さんは以前からオカルト系の取材で佐野さんに協力してて、その日も佐野さんから頼まれた心霊スポットに取材に行くって言って、それで……そのままそのビルから飛び降りて……』




「……そうだったんですね」







それからは何を会話したかよく覚えていません。




ただ、何か佐野の事で情報があればお互いに連絡をするという形で電話を終えました。










どういう事でしょうか……





つまり、アノ映像はフェイクじゃなかったという事なんでしょうか?







でも、だとしたら……






私のあの映像の違和感にも納得がいくんです。





私は、佐野に女の容姿については伝えましたが、女が絶叫していた事は伝えていなかったのです。





いえ、厳密に言えば伝えられなかった……




私は1つ大事な事を忘れていました。



何故忘れていたのでしょうか?



いや、もうそんな理由はどうでもいいです。






思い出したきっかけは佐野に観せられたアノ映像、あれを観た時、私は違和感を覚えたのです。






それは



声━━でした。






あの女性の絶叫です。




私は佐野に女性が叫んでいた、声をあげていたなど一言も伝えていません。




しかし、その時……



アノ映像を観た子供の時の私の記憶が鮮明に蘇って来たのです。




あの番組で私が観た映像には、確かに口を大きく開いた女性が映っていました。





しかし━━




音声は何も入っていなかったのです。







そして、もう1つ思い出した事があります。






スタジオで泣き出した、自殺したと噂の失踪したアイドルKさんの事です。





彼女はあの時、泣きながらこう言っていたのです。




『女の人が叫んでいる……』




と。





コレは偶然なんでしょうか?









女性は、叫んでいたのですかね?








そういえば、私もさっきから実はアノ声が聴こえるんです……






気のせいですかね?









【お願い】

とある映像を探しています。





今から20年以上前、某局でやっていたバラエティ番組の中の投稿映像を観るコーナーで流れていたものです。




真っ暗なトンネルの前で花柄のワンピースの女性が一人こちらを指さして立っている映像です。



探しています。

どうかお願いします。






















あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ













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