桜舞う4月。
東京で就職が決まった兄と一緒に俺も上京した。
俳優を目指す俺にとって東京は憧れの場所でもあった。
事務所のオーディションを片っ端から受けまくりようやく合格したのが今の事務所。新人の俺にはまだ仕事なんてまともに入るはずもなく。
仕方ないので生活費を稼ぐ為にバイトを始めた。
上京して2年が過ぎる頃、兄が突然会社を辞めた。
理由は、上司とのトラブル。
まぁ、良くある話しだ…。
兄は地元ではかなりのヤンチャぶりを発揮していてそれなりに有名だった。
まともに就職が決まったと聞いた時は驚いたが、やはり結果は…。
予想の範疇だった。
2年は良く我慢した方ではないか…。
ますます生活が厳しくなると頭を抱えた矢先、たまたま事務所を訪ねてきた兄を社長が気に入りそのまま同じ事務所に入所した。
そして、未だに仕事の安定しない俺をよそに、兄には次々と仕事が舞い込んできた。
ヤンチャで有名だった兄は、その反面可愛いと有名でもあった。
毎日見ている弟の俺には全くわからないが、抽象的な見た目と行動のギャップが周りから受けていたらしい。
口も悪い、態度もデカい。だけど、芯の1本通った性格で礼儀に厳しく、さり気なく他人に手を差し伸べられる優しい一面もある。
くりっとした大きな二重の目とキリッとした眉。艶のある形の良い唇をしているのは俺も同じだが、やはり性格で顔つきは変わるみたいで、似ていると言われる兄弟でも兄には敵わない。
勝てるとしたら兄より5cm高い身長くらいだろうか。
俳優を目指し上京しても、演技では周りに流されなんとなく仕事をこなす俺とは違い、しっかり者の兄は、全力で真っ向から仕事にぶつかる。
だから、どんな小さな役でも妥協はしない。
幾通りものパターンを考え現場に臨む。
その姿勢は監督や共演者達から信頼と称賛を浴びていた。
それに礼儀が厳しい兄は周りへの気配りも怠らない。
スタッフからも慕われている。
だから、この業界では遅咲きの兄に次から次へと仕事が舞い込む。
時には意見の相違でぶつかることもあるが、そんなのは良くあることだ。
そんな兄の活躍のお陰で、少しづつではあるが、先に入所した俺にも仕事が入るようになったのは『棚からぼた餅』と言ったところだろうか……。



「なぁ…戀(れん)」
そう話しかけてきたのは、同じバイト先で働いている池内聡太(いけうち そうた)だ。
同じ歳の25歳。趣味の筋トレで引き締まった体にアンバランスな甘い顔。身長は175cmの俺より5cm程高く、聡太目当ての客も少なからずいる。将来は実家の飲食店を継ぐ予定で、その修行と称してこの店で見習いがてら働いている。
「ん?」
平日の喫茶店はピークを過ぎるとまばらな客で時間を持て余す。乾いたカップを布で拭きながら返事をする。
「朔耶(さくや)さん、ドラマ決まったんだって?」
また、朔の話か…。
聡太のこの質問が1番面倒くさい。
「みたいだな…」
素っ気なく返すしか返答のしようがなかった。
「しかしすげぇよな…この前のドラマ。なんだっけ…ほらっあの中盤のあの眼。くぅ~痺れたね。あんな冷血な眼で睨まれたら相手が黙るのも納得だわ!」
少々興奮気味で感想を述べる聡太は、朔の大ファンである。
性別問わず好かれる兄に同じ兄弟として、同業者としてジェラシーを抱いていた。
「それ、直接本人に言ってあげたら?」
面倒くさくなって半ば投げやりに言ったこの言葉に聡太が食いつく。
「いいのかっ!?」
がっしり両腕を捕まれ、喜びの表情を隠しきれていない聡太は既に兄に会う気満々だった。聡太の圧に押されながら
「今夜は帰り早いって言ってたし…」
引き気味で言った。
まぁ、現実を見た方が早い。
「行くっ!絶対行くっ!」
今にも踊り出しそうな聡太には少し気の毒だが兄の本性を知ってもらうのも悪くはないだろう。



バイトが終わると、聡太は手ぶらでは悪いと途中のケーキ屋に寄った。
「朔は甘いもん苦手だぞ」
浮かれ気分でショーケースを覗き込む聡太の背中に向かって言った。
「そうなの?でも、珈琲にはケーキっしょ」
店から分けてもらった珈琲豆を顔の前に掲げて、だろっ?と言わんばかりの顔をする。
「まぁな…じゃ、4つね」
「お前、2個も食べるのか?」
不審な顔で言った聡太を無視して
「早くしろっ。腹減ると機嫌悪くなんだよ朔はっ」
迷っている聡太を急かす。早く帰ってご飯を作りたいのだ。
「はいはい。んじゃ、これ4つで」
会計を済ませ店を後にする。
自宅のアパートまでは徒歩15分程。
見上げた部屋の電気はまだ付いていない。
ほっと胸を撫で下ろす。
「行くぞっ」
アパートの階段に聡太を誘導する。
部屋は2LDKの間取り。
兄と俺のそれぞれの部屋がある。
とりあえず、リビングのソファーに聡太を座らせ、早速夕飯の準備にとりかかる。
「朔耶さんの今度のドラマって…」
まだ、朔の話続けるのか…。そう思いながら野菜を切る。
「初の主演だったよな?どんなドラマか聞いてる?メディアには決まったとしか書かれてないんだよ」
「恋愛もの…」
素っ気なく答えた。
「は?相手は誰っ?」
やはり聡太は食いついてきた。すかさず俺は、「恋人」と返す。
「ん?」
俺の言葉の意味がわからないみたいだ。
「だから、恋人役は誰かを聞いてるんですけど?」
聡太がもう一度聞いてくる。
「だから、恋人だって」
何度も瞬きをしながら聡太は考え込む。そして、
「朔耶さんって付き合ってる人いたの!?」
ようやく理解したみたいた。
説明するのが面倒くさい。朔が置いていったドラマの台本の見本を渡した。
「見てもいいのか…?」
恐る恐る台本を手にする。
どうせ見たところで中身は白紙だらけだ。書いてあるのはキャストと配役。
そして、ストーリーが大まかに書かれているだけ。
原作は既に出版済みだから、内容が知れても支障はないはずだ。
何も言わないのは、俺が了承したのだと捉えた聡太は、ゴクリと唾を飲み込むと
「では…」
そう言って緊張の面持ちで台本をめくる。
聡太が静かに台本を見ているうちに夕飯の支度を進める。
鍋の湯が煮える音が聞こえはじめた頃、ようやく聡太が口を開く。
「これって……」
声が上ずっている。
きっと顔も強ばっているのだと背後からでもわかる。
台本を見た聡太が何を言いたいのか皆まで聞かないでも予測できた。
「だな」
その2文字で伝わるはずだ。
「だって…恋人が恋人で恋人役で…??」
言葉がまとまっていない。
聡太の頭が混乱する気持ちもわかる。
だって、兄の初主演のドラマは、【BLドラマ】だ。
しかも、相手役は兄の恋人。
コップに水を注ぎ、聡太の前に差し出すと聡太はそれを取り一気に飲みほした。
「朔耶さんの恋人って、深月煌(みつきこう)?!」
目をまんまるくして台本に書かれている、深月煌の字を指差して聡太が俺に聞いてくる。
深月煌は、俺より2歳下。
つまり、兄より5歳下ということになる。
今注目の若手俳優。
素性は一切公表していない。
そんなミステリアスな所がまた注目を浴びている。
ジリジリとその名を世に広げつつあるイケメンが、朔の、いや、兄の恋人だ。
しかも、ドラマで恋人役を演じる。
恋人役を演じて恋人になった話は聞いた事があるが、恋人が恋人役を演じるとはあまり聞いた事がない。
しかも、同性同士なんて…。
空になったコップを聡太から受け取り、俺はコクンと頷いた。
「ウソっ…」
そう言って、聡太は勢いよくソファーに仰け反る。
わかる…。
俺も初めて朔から聞かされた時は今の聡太と同じくらい、いや、それ以上に驚いた。
確かに朔は可愛い。……と、思う。多分…。
寝起きの顔や、無防備な顔は28歳の男の顔には見えないくらいに幼くみえた。
人に見られる仕事をしているからケアは怠らないが、それにしてもだ。
同じ仕事をしている同じくらいの男性と比べてもとても幼く。年相応には見えない。
もし、若返りのクスリとやらがあるなら使っているのではないか?と思うくらいに年々若くなっている。
気がする…。
「それ。俺が聞いて良かったのか…?」
「マスコミにでもリークするか?」
俺は、冗談交じりで返した。聡太はブンブンと首を横に振る。
聡太は口が固い。
それは、長い付き合いの俺が保証する。
根が真面目で男気の強い聡太は約束は絶対に守る。
だから、今日聡太を連れてきた。
もう、1人で抱え込み悩むのは正直しんどかった。
誰かと共有したかったのだ。
「朔耶さんの秘密は墓場まで持っていくっ!」
大袈裟な…。と、苦笑したが、そのくらいの覚悟を持ってもらわないと我が家は破綻する。
それ程の秘密だ。
背負わせて、ごめんな…。と、少しだけ聡太に同情した。
炊飯器からメロディが流れる。
と、同時に玄関のドアが開く音が聞こえリビングに朔が入ってきた。
「ただいま…」
疲れた顔。
今日は、確か映画の役で必要な組み手の稽古と、雑誌の取材と、例のドラマの打ち合わせだったはずだ。
「ひとり?」
ドラマの打ち合わせが終わった後なら、てっきり2人で帰ってくると思った俺は兄に聞いた。
「一旦事務所戻るって…その後…」
そこまで言った時にようやく聡太の存在に気がついた。
「だれ?」
聡太を指差して俺に聞いてきた。
聡太はまるで、待ち焦がれた飼い主がようやく帰ってきた!と、喜んで尻尾を振っている犬のようだった。
「バイト先の…」
聡太を朔に紹介しようとすると、聡太は立ち上がって朔に近づき手を握ると
「池内聡太です。朔耶さんの大ファンです!!出演した作品は全部見てます!この前のドラマ、すっごく良かったです。いや…この前だけじゃなくて…どれも朔耶さんの演じる役全部見事と言うか、引き込まれるって言うか!…とにかく、大好きです!!」
元気良く挨拶する。
「ど…どうも…」
聡太の勢いに圧巻された兄は引き気味で返した。
朔は人見知りで初対面の人と話すのは得意ではない。
2人の温度差に笑いそうになる。
が、腹が減った朔はすこぶる機嫌が悪くなる事を俺はイヤと言うほど知っているので、笑うのを我慢して食事の準備をはじめた。
「聡太も手伝って」
俺は朔から聡太を離れたさせた。
これ以上朔の近くにいたら、聡太は何を言い出すかわからない。とりあえずは、ご飯が先だ。
「煌の分も用意する?」
さり気なく俺が聞くと、「いや、何時になるかわからないからまだいい」朔が返事をした。
やっぱり来るんだ…。そう、心の中で呟いた。



食事が終わる頃、朔の携帯が鳴った。相手は、深月煌だ。
「あと1時間くらいかかるらしい。先、風呂入るわ…」
朔はそう言って立ち上がると、風呂場へ向かう。
朔がリビングから出て行くと
「ハァハァ…」
息を止めていたかのように、聡太が苦しそうに息をする。
「だめだ…緊張してまともに息ができない…」
聡太が机に突っ伏して項垂れた。
「良く普通にしてられるよな…」
上目遣いで俺を見る。
当たり前だ。こっちは生まれた時から一緒にいるんだから。そう言ってやりたかったが、
「まぁ…ね」
素っ気なく返した。
「深月煌、来るの?」
話の流れを聞いていればそう言うことになる。
「あと1時間くらいしたらね」
目の前で話していたのだから、隠す必要はない。俺が返答すると
「本当に、つき合ってるんだ…」
聡太は残念そうに言った。
だから、そう言ったではないか…。
とは、ついさっき本人に、大好きだと公言したばかりの聡太には言えなかった。
「あのさ…」聡太が言いにくそうに聞いてきた。
「ん?」
「いつから…その…」
濁す言葉の続きは多分、いつから付き合っているのかを聞きたいんだろう。
「さぁ」
正直、真相は俺も知らない。朔から、深月煌の事を聞いたのはドラマが決まった時だった。
その日、自宅に居た朔にマネージャーから電話があった。
新しいドラマの、しかも主役が決まったと。
受けるか?の質問に朔は即答で引き受けると返答した。

ストーリーは、今流行りのBL作品。
新入社員と先輩の年の差ラブストーリー。その相手役は、深月煌。

そこまで聞いた時、朔の表情が固まったのを俺は見逃さなかった。
深月煌と言う俳優の名は知っていた。
顔も、朧げだが記憶にはあった。
電話を切ったあと目が泳ぐ朔に、どうしたのかと聞いた。
その時、初めて、相手役の深月煌と付き合っていると聞かされたのだ。
驚いたのは言うまでもないだろう。
朔は、モテはしたが恋人がいたなんてそれまで聞いた事がなかった。
今どき年齢イコール恋人いない歴なんて珍しくない。
朔もそのうちのひとりに過ぎないと思っていた。
かくいう俺もそのうちのひとりに当てはまる…。
深く追求はしなかった。
恋愛は自由だし、朔が選んだ人が同性であろうと本人たちが幸せならそれでいい。
だけど、まさか恋人役を恋人同士が演じることになるなんて本人たちも思いもしなかっただろう。
今回の配役は、原作者と監督が決めたものだった。
主役は女性受けする配役を。
との原作者の希望に推薦されたのが朔だった。
相手役の深月煌は初々しさと役柄に合った容姿を兼ね備えた役者の候補に上がったひとりで、最終的に選んだのは、原作者と監督の満場一致で決まったそうだ。
2人が付き合っているなんて露とも知らず…。
「俺、帰った方がいいかな?」
珍しく弱気な聡太を見る。
「なんで?」
「邪魔者じゃないかな…」
「俺はどうなんだよ。いつも邪魔者になるだろ」
「確かに…」
「ここは、俺の家だ。俺が連れて来た友達を朔が邪魔者扱いするわけないだろ?」
「だけど…」
邪魔者ではなく、きっと大好きな朔とその恋人の深月煌が一緒に居るところを見たくないのではないか…ふと、そんな気がした。
「会って行けば?深月煌に」
朔のファンである聡太には酷な事かもしれないが、現実を見てほしかった。
何故だろう…。
フィルムの向こう側にいる人間も同じ人間なのだと聡太には知って欲しかった。




チャイムが鳴り、インターホン越しに深月煌が映る。
「どうぞ」
ロックを解除して、入るように促す。
その音を聞いた朔が部屋から出てきた。
俺の顔を見てきたので、小さく頷いて玄関に顔をやる。
その表情で悟った朔は、満面の笑みで玄関へ深月煌を迎えに向かった。
なんて顔してんだよ…。
我が兄ながら、恋人が来る度にあの顔を見せられるのは心中複雑である。
「可愛い…」
それを見ていた聡太は、無自覚でそう呟いていた。
「は?」
「見たか?今の朔耶さんの表情。すっごく可愛いな?」
弟の俺に同意を求めるなっ!と言ってやりたいところだが…確かに可愛い。これは、認めざるを得ない事実だ。
あんな表情、画面では絶対に見せない顔で深月煌だけに見せる特別な表情だ。
だが、これから始まるであろうドラマではきっと存分にこの表情が見られるのは確かだ。
なにせ、本物の恋人が恋人役なのだから。
「こんばんは」
そう言って、深月煌がリビングに居る俺に挨拶してきた。
そして、初めて会う聡太にもきっちりと挨拶をした。
しっかりとお辞儀をする礼儀正しい好青年。
今撮っているドラマの役柄状、髪は染めていて茶髪だが本来は黒のストレートでサラサラな髪。それが動く度になびいている。
身長は俺より8cm高い。
がっしりした体格なのに細く見られるのは着痩せするかららしい。
笑うと片側だけ笑窪ができる。
言葉使いも丁寧で、柔らかな口調で話す。謙遜する性格。年上を敬う姿勢と態度などどこを切っても非の打ちどころがない。
公表はしていないが、学歴もそうとうな優等生っぷり。
俳優の傍らモデルもこなすなど、性格も学歴も何もかもが完璧に思えるこの年下が兄の恋人だ。
何をどう転べば、兄と付き合うことになったのか…謎が多すぎる。
「ご飯は?」
俺の問いに、キッチンを見た煌は
「さっき事務所で食べてきたので大丈夫です」
断ってきた。
流しが片付いているのを確認し、断ってくるのだから本当に抜け目がない。
「コウ。風呂は?」
今度は朔が聞く。
「俺は後で頂きます。戀さんお先に入ってください」
気を使っているのがバレバレだ。
仕事で疲れているだろうに、わざわざ気を使う我が家に来なくても…そんな風に思ってしまうが、それ程までに朔に会いたいのかとも思う。
聡太の言う通り、俺は邪魔者なのかもしれないな…。
徐ろに朔は煌に近づいて
「コウ、さっきの打ち合わせの続きなんだけど…」
そう言うなり、朔は俺と聡太を交互に見た。
「部屋で話そう」
ここでは話せない内容みたいだ。
煌の手を取り部屋に向かう。
「朔、ケーキ。聡太が持ってきてくれたのがあるから」
俺が言うと、
「あとで頂くわ。ありがとうな」
聡太に向かって軽く会釈をした。
朔と目が合っただけで、聡太の顔が赤くなる。
「いえ…」
絞り出すようにそう言うと、ぽかんと口が開いた。
その顔がだらしなく見えて吹き出しそうになる。
2人が居間から居なくなると
「夢…見てるみたいだ…」
天を見上げ昇天に達したように、まるで夢見心地みたいに聡太が言った。
「夢じゃねぇよ。これが現実だ」
「こんな貴重な場面がドラマより先に見られるなんて…」
聡太の焦点が定まり
「お前、すげぇなっ!」
俺の肩を掴み揺らす。
俺かよ……。
凄くなんかない。正直迷惑だ。なんて、当人達には言えない。
2人揃った時のあの空気感は誰も寄せ付けさせない特別な雰囲気をかもし出している。
近づくことさえ許されないような。
微笑み合う2人を見る度に、兄を取られた。と、嫉妬にも似た感情が湧いてくる。
認めたいのに、それを許せない自分が心のどこかに存在している。
聡太が可愛いと称賛した朔のあの笑顔は、幼い頃は、自分にだけ向けられていたのに。
今は、年下の恋人にだけ向けられているのがなんだかムカついてしまう。
他人からしたら、そんな小さな事で。と、笑われるかもしれないが…。
だから、気がついたんだ。
兄と煌は、紛れもなく恋人で現在進行型で付き合っている。
そして、これから始まるドラマで恋人を演じる恋人同士なんだと。



新作ドラマの記者会見の日。
公の場で2人はきっとこう言うだろう。
『俺の恋人(役)』だと…。
それは、嘘ではない事実なのに誰ひとり疑う事がない。


その唇は真実の嘘を平然とつき続けるのだーー。

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