以下の文章は、2022年6月に██新聞で掲載されたコラムを再編集したものです。


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 霊が生きている人間に害を及ぼす。
 それはあってはならないことだと思います。
 自然の摂理に反しており、この上なく不条理な事象と言えるでしょう。

 しかし現実として悪霊は存在します。
 霊能者である私は、数々の被害、惨劇を見聞きしてきました。
 このコラムで書けないような事態も少なくありません。
 皆さんが想像する以上に霊とは厄介なものなのです。
 超自然的な概念が淘汰されつつある現代でも、それは否定の出来ない事実であります。

 悔しい話ですが、霊能者は慢性的に人手不足です。
 中には高額報酬がなければ動かない人間もおり、霊に悩まされる人々を救えない状況にあります。
 故に私はセルフ除霊術を広めることにしました。
 たとえ霊能力がない人間でも、体系化された手法で身を守ることができる。
 実に素晴らしいことだと思いませんか。
 我ながらなかなかの発明だと自負しております。

 私の夢は、霊の被害を受けない社会を実現することです。
 セルフ除霊術はその第一歩となるでしょう。
 ぜひとも皆さんで広めてください。
 私は地位や名誉を欲しません。
 ただ安寧な社会を築きたいだけですので。
 皆さんが穏やかに暮らせているのなら、それが私の本望です。

 ただし気を付けてください。
 セルフ除霊術は手順がとても重要です。
 人に伝える際は、必ず正しい手順で説明してください。
 そこさえ厳守すれば、皆さんは霊害に怯えることがなくなるはずです。
 よろしくお願いいたします。