カーナビの音声って、案外、色んなシチュエーションに合わせて録音されているんですよ。

仕事内容は、指定された文章を正確なトーンで発声するだけで、例えば「右折してください」「次の信号を左です」といった基本的な指示から、渋滞情報、観光地案内のセリフまで幅広いんです。

とくに大事なのは、聞き取りやすい声のトーンとテンポです。ユーザーが運転中に集中を切らさないよう、一定のリズムで話すのがポイントですね。ここ、結構腕試されますよ。

ただ、数をこなしていく中で不思議な体験もしていて、それが、「ここで█分█秒停車してください」っていう音声を録ったんです。

カーナビって基本目的地を案内するだけじゃないですか、でもなんでこんなピンポイントな指示が必要なんだろう？ってちょっと不思議でしたね。

まあ、そういう事もありますよね。でも、この仕事、本当に難しいんですよ。セリフも早すぎると聞き取れないし、遅いとタイミングがズレちゃう。車の動きに合うように、何度も録り直すこともあるんですよ。僕、リテイク20回も出された時あります。普通に声飛ばすかと思いました。

カーナビの声って日常的に聞くんですけど、その裏側はこんなに手間がかかってるんだって、このバイトを始めてから分かりました。使う人の立場に合わせて、細かく作り込まれてるんですよね。

話す事…こんな感じで良いですか？そんな特別変わった事とか、変な事とかはないですよ。映画でもないので。ただ、常日頃カーナビ使う方達は僕たちに感謝してくださいね。