街中の人々の声、車の走る音。
彼女たちがいたのは公園だった。
遊具に向かって走る子供たちは、いまここで結珠と龍真が妖を封印したことなど知りもせず遊び始める。
今日は日曜日、結珠は高校の休みの日だけ退魔の仕事をしている。
「結珠、よくやった」
龍真はにっこり笑って結珠の頭をがしがしと勢いよく撫でる。
「やめてよ、恥ずかしいし髪が乱れちゃう」
結珠は頬を染めながら文句を言う。
「そういうとこ、かわいいなあ」
龍真はそう言って結珠の頭を抱く。
「やめてってば!」
結珠は慌てて離れようとするが、龍真は放してくれない。
小さいときからそうだった。
幼馴染の三つ上で二十歳の龍真は結珠を妹のように溺愛していて過保護。ふたりとも退魔師となった今は必ず結珠の退魔についてきて、フォローしてくれる。
「あれくらいならひとりでもできたのに」
「駄目だ、俺が心配だから。絶対にひとりでは行くなよ」
「龍真様は心配性だにゃ」
使い魔はビー玉のような目を彼に向けて言う。
「そりゃ、大事な大事な幼馴染だから。結珠になにかあったら結珠の両親に顔向けできないよ」
龍真が言い、結珠はちょっぴり胸が痛んだ。私を好きだからだったらいいのに、と思ってしまったからだ。
彼女たちがいたのは公園だった。
遊具に向かって走る子供たちは、いまここで結珠と龍真が妖を封印したことなど知りもせず遊び始める。
今日は日曜日、結珠は高校の休みの日だけ退魔の仕事をしている。
「結珠、よくやった」
龍真はにっこり笑って結珠の頭をがしがしと勢いよく撫でる。
「やめてよ、恥ずかしいし髪が乱れちゃう」
結珠は頬を染めながら文句を言う。
「そういうとこ、かわいいなあ」
龍真はそう言って結珠の頭を抱く。
「やめてってば!」
結珠は慌てて離れようとするが、龍真は放してくれない。
小さいときからそうだった。
幼馴染の三つ上で二十歳の龍真は結珠を妹のように溺愛していて過保護。ふたりとも退魔師となった今は必ず結珠の退魔についてきて、フォローしてくれる。
「あれくらいならひとりでもできたのに」
「駄目だ、俺が心配だから。絶対にひとりでは行くなよ」
「龍真様は心配性だにゃ」
使い魔はビー玉のような目を彼に向けて言う。
「そりゃ、大事な大事な幼馴染だから。結珠になにかあったら結珠の両親に顔向けできないよ」
龍真が言い、結珠はちょっぴり胸が痛んだ。私を好きだからだったらいいのに、と思ってしまったからだ。