「はじめまして。春山隼瀬と申します」
「私は、高槻真吏と申します。今後、よろしくおねがします」
それが春山様・・・隼瀬との初めて交わした言葉だった。
隼瀬は兄さまと仲が良く、人柄などは人づてに多少は聞いていた。だが、本人と接して分かった。優しいくて強くて責任感が強く、少し不器用で、仲間を大切に思っている。
「こちらこそ、よろしくお願いします。真吏さん」
そうして私の一度目の隼瀬との日々が始まった。
「あの、今週末出かけませんか?」
「えっ、はい!」
名ばかりの婚約者だと思っていたから、まさか自分がデートに誘われるとは想像してなかった。だけど、隼瀬がここまで歩み寄ってくれたのだから、私も心を開くも悪くはないのかも。
「では、土曜日に迎えに行きますね」
ニコッと笑う彼の笑顔は、失礼かもしれないけど犬みたいで可愛いなと思ってしまった。
少しばかり浮かれて、普段は着ることがない純白のワンピースに袖を通した。そして、恥ずかしくなって着替えようと思ったときには、隼瀬が迎えに来ていた。
「真吏さん、似合ってます。可愛いです」
躊躇いなく褒めてくる隼瀬が眩しくてついつい、目を逸らしてしまう。
「ありがとう、ございます」
むずむずする。褒められるって、こんなにうれしいんだ。



