(まい)の家は、舞の中学入学に合わせて家を購入し、引っ越しをした。



今までの、学校の友達に会えなくなって寂しかった…

新しい友達が出来るかも不安…

それでも、新しい家に住めて…

自分の部屋も出来たから、不安だけど

乗り越えるしかないよね…



舞が行く中学校は、埋め立て地に建っていて

古くからある学校ではない…

でも、高校が隣にあってその高校に進学する子も多いらしい。



最初に登校する日…

舞は、緊張して出かけた…

友達が近くに住んでいるのかも分からない…



新しい制服を着て出かけたけど…

歩いていると、同じ制服の人も沢山いる…

でも、その人が同級生なのか、先輩なのかも分からない…

不安でいっぱいだった。



クラス発表を確認してから、教室に着くと…沢山の友達はいるけれど…

みんな、同じ小学校だったのか…

それぞれに楽しそうに話をしている。



舞は、自分の名前がある机を探して席についた。

後ろから3番目の席…



舞が席に座るとすぐに、1人の男の子が教室に入って来た…

その男の子は、友達を見つけたみたいで…



「おー同じクラスだな。よろしく」



と話し掛けていた。



そして、その男の子は舞の席の斜め前に座った…

その子は、急に振り向くと…



「初めて会うよね?どこの小学校だったの?」



急に話し掛けられて…戸惑ったけど…



「私…引っ越して来たばかりで…前は○○小学校だったんだ…知ってる?」



「なんか、聞いたことあるよ。そうか…引っ越して来たのか…」



「うん……」



「中学のことは、俺も分からないけど…町のことなら分かるから聞いてよ」



「うん…ありがとう」



その会話と同時にベルが鳴り…先生が入って来た。



「今日から担任になる鈴木だ。よろしくな」



その先生は男の先生だった。そして副担任は女の先生…



その後、体育館に移り…入学式が行われた。



入学式が終わり、教室に戻ると先生が話し始めた。



「みんなは、色々な小学校から集まってるから…まずは自己紹介をしよう。先生からいくな…先生は、この中学校に来て、5年目だ。社会を教えている。二児のパパだ。よろしく!」



そして生徒の番だ…

次々と、自己紹介をしていく…



そして、さっき話し掛けてくれた男の子の番になった。



徳島空(とくしまそら)です。○○小学校から来ました。生まれた時からずっと今の家に住んでいます。中学校になってやりたいことは、クラブです。でも、まだ何に入りたいか決めていません。よろしくお願いします」



―――空くんって言うんだ…



そう思いながら…みんなに合わせて拍手をする…



そして、舞の番になった。



舞は、人前で話すのが苦手だ…

ゆっくり立ち上がると…

空が、振り向いて微笑んだ…

すると、不思議と勇気が出た…



「藤本舞です。○○小学校から来ました。引っ越したばかりで何も分からないので、よければ教えてください。よろしくお願いします」



みんなが拍手してくれた…

そして、空も振り向いて拍手してくれた…



休憩時間になると…

同じように転校して来た子が話し掛けてくれた。



「みんな、同じ小学校から来た子が多いから、なかなか馴染めないよね…私、松村栞(まつむらしおり)っていうの…よろしくね」



「そうだよね…こちらこそ、よろしくね」



それから、帰る前にも栞と話をした。

栞とは仲良くなれる気がする。



―――はぁー!なんとか、初日が終わった…



あれから、空と話すことはなかったけど…

舞は、なぜか空のことが気になった…



空のおかげで自己紹介も乗り越えられた…



これからの中学校生活、楽しくなればいいな…



そう思いながら、舞は眠りについた…