虐げられた少女は、無償に愛される ~だけど少女は逃げ出したい!~

「千鶴、君は本当にっ、ずるいなぁ・・・っ」

今にも泣きそうなぐちゃぐちゃな顔で笑っている。

「・・・・泣いていいですよ」

「泣かないよ。まだ、泣かない」

「え?」

だってさ、そう続けるときには泣きそうな顔がいつもの笑顔に戻っていて

「千鶴に頼られてたんだ。うれしいのに、泣くわけにはいかないよ」

「うれし泣きってありますよ?」

「うーん。悲しくて泣いたこともないけど、うれしくて泣くことってあるの?って思うぐらいには、うれしくてなくことは理解できないかな」

「じゃあ、私が泣かせます」

「楽しみにいとくね」


その日は、ベットに寝転がりながら話しているうちにいつの間にか、二人とも寝てしまっていた。
泣くのを我慢し、笑顔で過ごしている小さい悠華さんを想像すると、胸がキュッと痛くなる。

だけど、そんなのに意味はない。

私が想像して傷ついても、実際にしんどいのは悠華さんだ。

だから、今の悠華さんを全力で抱きしめる。

力いっぱい。

「悠華さん、好きです」

そっと、つぶやいた。