虐げられた少女は、無償に愛される ~だけど少女は逃げ出したい!~

「いちご大福が……好きです」

「うん」

「あと、由和と瀬和と話すのも楽しいです」

「うん」

「それから、哉さんが慌ててるところとか、おもしろいです」

「うん」

「たくさんあるけど、一番好きなのは悠華さんと一緒にいるときが一番好きです」

「うん」

「だから、私と…ッ」

唇に温かくて柔らかいものが触れた。

「俺と家族になろう?」

「……っ」

「返事は?もしかして、俺とは家族になりなくない?」

悲しそうに眉を八の字にする悠華さん。

「わたっ、私も、悠華さんの家族に、なりたいっ!」

「本当は、もっと落ち着いたら言おうと思ってたんだけど、千鶴がフライングしようとするから思わず止めちゃった」

「止め方が強引でしたね」

「焦ったからだよ。さすがに、これは俺から言いたかったし」

悠華さんの手が伸びてくる。その手は私の頬を撫でた。

「ゆう、か、さん?」

「千鶴、絶対死なせないから」

「え?」

「一生、そばにいてもらうから」

「・・・悠華さんってなんかすごいですね」

「うん?」

「だって、私をあの日々から救い出して、私の決意さえ壊すし。やっぱり、悠華さんはかっこいいです」

それを聞いた悠華さんは少し目を伏せ、悲しそうな顔をする。

「俺はそんなすごいやつなんかじゃないよ。確かに千鶴を助けたのかもしれない。でも、根本的には救えてない。俺はまた、大切な人
を守れない」

「どういう意味ですか?」

「守れなかった。俺を守ってくれた両親を」