虐げられた少女は、無償に愛される ~だけど少女は逃げ出したい!~


「ごめん。やっぱり千鶴とは一緒にいれない」

離れていく背に手を伸ばす。

いかないで。

ひとりにしないで。


「いやだっ!」

目の前には心配そうにのぞき込んでいる悠華さん。

「大丈夫?うなされてたから起こしたけど、嫌な夢でもみた?」

「え、いや、だ、だいじょうぶです」

悠華さんは仕方ないな、というように息を吐きベットに腰を下ろす。そして、抱きしめられた。

「大丈夫じゃないときは大丈夫じゃないっていえばいいだよ」

そう言って私の背をポンポンとゆったりとしたリズムでたたく。その手つきはやっぱり、優しくて。

「そんなこと言われてもすぐには言えないよね」

大丈夫じゃないなんて言えるわけがない。

ずっと、ずっと、我慢してた。

だから、疲れていつ死んでもよかった。

だけど、彼らに出会って、笑いあっていた時間が楽しくて、我慢してた日々を夢のように忘れていた。

「だからさ、少しずつでいい。これが好き。これは嫌。少しずつ、俺に伝えてくれればいい」

優しすぎる。

本当に、どんだけ私を甘やかすつもりなんだろう。

「どんだけ優しいんですか……っ」

「千鶴だけにだよ」

そう言って私の頭を撫で始めた。

「…が…で」

「ん?」