活発ではあるが、細かいところまで気の回るようなきっちりしたところもある性格の瑞希には、苦でないどころかむしろ楽しい作業でもある。

 瑞希が部長になったのは、前三年生の引退時からだ。

 ごく普通に、二年から副部長を務めていた瑞希が指名を受けた次第。

 瑞希も特に断る理由がなかったのでそれを受けた。

 好きでやっている部活だ。

 部長になれば多少忙しくなるのはわかっていたけれど、そのぶん普通の部員には見えない面白いこともあるだろう。

 そう思って。

 そして実際、瑞希はなかなか良い部長である、と自負していた。

 まだトップに立って半年もしていないとはいえ、ここまで大きなトラブルなくやってきたし、部員も瑞希を信頼してくれている。

 人手が必要なだけに割合大所帯なので、新一年生を何人も迎えたけれど、その子たちも学校生活および部活動に慣れて落ちついてきて、六月現在、比較的まったりしていたといえる。

 そんな、月曜日の瑞希。

 副部長や、二年、一年のリーダーを受け持たせている生徒数名と打ち合わせをしていた。

 今週は普段通りの活動。

 特に急用が入らなければ校内の清掃活動と、ほかには花壇の手入れなどで終わる予定だった。

 特別なものとしては、放送室の機材の手入れを頼まれていた。

 なのでそちらに人員を配置しなければ、という話をした。

 マイクやスピーカー、カメラなどの機材の調整が入るので、機械に強い部員をメインにしなければいけない。

 その選出などなど。

 今はまだ余裕のある時期だけれど、そろそろ暑くなってきていて夏休みを視野に入れる頃。

 夏休みになにをするのか。

 大まかには案を出しておいてもいいかもしれない、と思う。

 せっかくの長期休みなのだ。

 ダラダラと通常活動で潰してしまうのは勿体ない。

 活動的な意味でも、部の存続という意味でも。

 ここで一発大きなことをやるべきなのである。