夜も更けたので、そろそろ寝ようということになる。
「明日はバイトあんの?」
訊いてみたところ、玲望は「昼過ぎから」と答えたのだ。
少しは朝寝坊してもいいだろうが、あまり夜更かしをするとバイトに障るだろう。
よって、二人でもっと遊んだりしたい気持ちはあったものの、大人しく寝ることにした。
さっき「まだ早いか」と思った布団を敷いて、二人で潜り込む。
玲望の布団は薄っぺらくて、シングルサイズなので男二人には随分狭い。
だけどそのぶん密着できるので、瑞希は嫌いではなかった。
布団からはみでないように、玲望をしっかり腕の中に抱くことができる。
普段素直でない玲望も「布団からはみでるから」と言えば、最初こそぶつぶつ言うことがあっても、最終的に大人しく収まってくれるから。
「明日は玲望の朝飯が食いたいな」
ちょっと甘えるようなことを言ってしまったのも、そんな気持ちから。
きみの味噌汁が飲みたい、ではないが、恋人の朝ご飯を食べられるなんて、幸せなことではないか。
玲望は想像したように「たまにはお前がやってもいいんだが」とぶつぶつ言ったけれど、一応呑んでくれたらしい。
今日もバイトがあって、疲れていたのもあっただろう。
なにしろ立ち仕事だ。
早くもうとうとしはじめたのが感じられた。
瑞希は玲望を眠りに誘うように、髪に触れる。
さっき、ドライヤーで乾かしていたときよりも、優しく梳いた。
「オヤスミ」
瑞希の言ったことにはやはり「んー……」しか返ってこなかった。
おやすみを言う前に玲望は眠りに落ちてしまったようだから。
すやすや寝息を立てはじめた玲望を腕に抱きつつ、瑞希は自分の目がとても優しくなっていることを自覚する。
今日もとても幸せな日だった。
こういう幸せな日をくれる玲望のことを愛しく思う。
そういう存在でいてくれることに、いくら感謝しても足りない。
いつか。
いつか、もう少し先のこと……。
自分と玲望が高校を卒業したとか。
そのくらい先の未来。
訪ねてきて、一緒に過ごすのもいいけれど、もっと一緒にいたい。
同じ時間を過ごしたい。
つまり、一緒に暮らしたい。
それは高校を卒業したあと、大学生の身でも高望み過ぎるかもしれないけれど、叶えられないなんて思わない。
高校卒業後では無理だとしても、社会人になったらとか、いくらでも時間はある。
それまでの間、玲望と一緒に過ごしたいと思っていたし、玲望のほうもいくらかはそう思ってくれているのではないかと感じていた。
明日の朝ご飯はきっと、その日を迎えるための一歩になってくれる。
そんなふうに感じながら、瑞希は玲望を抱えて金髪に顔を埋めて、目を閉じた。
「明日はバイトあんの?」
訊いてみたところ、玲望は「昼過ぎから」と答えたのだ。
少しは朝寝坊してもいいだろうが、あまり夜更かしをするとバイトに障るだろう。
よって、二人でもっと遊んだりしたい気持ちはあったものの、大人しく寝ることにした。
さっき「まだ早いか」と思った布団を敷いて、二人で潜り込む。
玲望の布団は薄っぺらくて、シングルサイズなので男二人には随分狭い。
だけどそのぶん密着できるので、瑞希は嫌いではなかった。
布団からはみでないように、玲望をしっかり腕の中に抱くことができる。
普段素直でない玲望も「布団からはみでるから」と言えば、最初こそぶつぶつ言うことがあっても、最終的に大人しく収まってくれるから。
「明日は玲望の朝飯が食いたいな」
ちょっと甘えるようなことを言ってしまったのも、そんな気持ちから。
きみの味噌汁が飲みたい、ではないが、恋人の朝ご飯を食べられるなんて、幸せなことではないか。
玲望は想像したように「たまにはお前がやってもいいんだが」とぶつぶつ言ったけれど、一応呑んでくれたらしい。
今日もバイトがあって、疲れていたのもあっただろう。
なにしろ立ち仕事だ。
早くもうとうとしはじめたのが感じられた。
瑞希は玲望を眠りに誘うように、髪に触れる。
さっき、ドライヤーで乾かしていたときよりも、優しく梳いた。
「オヤスミ」
瑞希の言ったことにはやはり「んー……」しか返ってこなかった。
おやすみを言う前に玲望は眠りに落ちてしまったようだから。
すやすや寝息を立てはじめた玲望を腕に抱きつつ、瑞希は自分の目がとても優しくなっていることを自覚する。
今日もとても幸せな日だった。
こういう幸せな日をくれる玲望のことを愛しく思う。
そういう存在でいてくれることに、いくら感謝しても足りない。
いつか。
いつか、もう少し先のこと……。
自分と玲望が高校を卒業したとか。
そのくらい先の未来。
訪ねてきて、一緒に過ごすのもいいけれど、もっと一緒にいたい。
同じ時間を過ごしたい。
つまり、一緒に暮らしたい。
それは高校を卒業したあと、大学生の身でも高望み過ぎるかもしれないけれど、叶えられないなんて思わない。
高校卒業後では無理だとしても、社会人になったらとか、いくらでも時間はある。
それまでの間、玲望と一緒に過ごしたいと思っていたし、玲望のほうもいくらかはそう思ってくれているのではないかと感じていた。
明日の朝ご飯はきっと、その日を迎えるための一歩になってくれる。
そんなふうに感じながら、瑞希は玲望を抱えて金髪に顔を埋めて、目を閉じた。