昔の自分探し(?)をやっていって、死んだ当時に付き合っていた菜々ちゃんとも話さないとダメかな~って気持ちになってきた。
菜々ちゃんはいわゆる有名人とかではないけど、「俺」のことを理解してくれる数少ない女性の一人だった。
ボクサーの恋人ってやっぱり価値観が変わっているんだと思う。競技の性質上ほとんどが経済的に苦しい人ばかりだし、毎日が練習ばかりだから休日は死体みたいにぐったりしている人が多い。
そんな人と付き合うのだから、女性の側は当然忍耐が要求される。
前世の「俺」は菜々ちゃんに散々苦労をかけた。
看護学校を出ているから怪我をすれば手当をしてもらったし、夜勤明けで眠いであろう時もわざわざ試合の応援に来てくれた。こんな天使みたいな人がどうして自分のことを好きになってくれたのか分からなかったけど、それでも「俺」のことを愛してくれるのであれば彼女は幸せにしなきゃと思っていた。
それなのに、「俺」は死んでしまった。
彼女が今どうしているのか、知るのが正直怖い。
なんで今まで放っておいたんだ? って言われるかもしれないけど、あたしだって彼女のことが心配じゃなかったわけではない。
菜々ちゃんはとてもよく出来た人だったし、「俺」のことをよく理解してくれている感じもした。
だからこそ絶対に幸せにしてやろうって思ったんだけど、その矢先に死んじゃって……。
なんていうか、その先を知りたくなかったというのがある。
不幸になっていても嫌だし、他の男とくっついていてもそれはそれで複雑だ。それが自分勝手な理屈なのは分かっている。だけど、それで割り切れないのも事実。だから、現実からあえて目を背けていた。
たしか色々とSNSをやっていた気がする。
でも、あんまり熱心じゃないのか、どれもほとんど更新がなされていなかった。
彼女にどうやって接触するか。
SNSで彼女に接触して「こんにちは。私はあなたの恋人の生まれ変わりです」ってメッセージでも送るのだろうか。いや、誰が見てもヤバい奴だよね、それ。
でも、住所は知っているんだよね。
どうしよう。直接会いに行っちゃおうかな?
……いや、やっぱりヤバい奴が来たって思われるよね。それ、妥当なリアクションなんだけど傷付きそう。
やっぱりあたしは今の人生を生きていくしかないのかな~。
最近だと「俺」の要素もだいぶすり減ってきた気がする。アイデンティティが統合されているのか、何なのかは知らないけど。
この問題は、あたしの中で結論が出てくるまで置いておこう。
冷静になって話せる、その時が来るまで。
菜々ちゃんはいわゆる有名人とかではないけど、「俺」のことを理解してくれる数少ない女性の一人だった。
ボクサーの恋人ってやっぱり価値観が変わっているんだと思う。競技の性質上ほとんどが経済的に苦しい人ばかりだし、毎日が練習ばかりだから休日は死体みたいにぐったりしている人が多い。
そんな人と付き合うのだから、女性の側は当然忍耐が要求される。
前世の「俺」は菜々ちゃんに散々苦労をかけた。
看護学校を出ているから怪我をすれば手当をしてもらったし、夜勤明けで眠いであろう時もわざわざ試合の応援に来てくれた。こんな天使みたいな人がどうして自分のことを好きになってくれたのか分からなかったけど、それでも「俺」のことを愛してくれるのであれば彼女は幸せにしなきゃと思っていた。
それなのに、「俺」は死んでしまった。
彼女が今どうしているのか、知るのが正直怖い。
なんで今まで放っておいたんだ? って言われるかもしれないけど、あたしだって彼女のことが心配じゃなかったわけではない。
菜々ちゃんはとてもよく出来た人だったし、「俺」のことをよく理解してくれている感じもした。
だからこそ絶対に幸せにしてやろうって思ったんだけど、その矢先に死んじゃって……。
なんていうか、その先を知りたくなかったというのがある。
不幸になっていても嫌だし、他の男とくっついていてもそれはそれで複雑だ。それが自分勝手な理屈なのは分かっている。だけど、それで割り切れないのも事実。だから、現実からあえて目を背けていた。
たしか色々とSNSをやっていた気がする。
でも、あんまり熱心じゃないのか、どれもほとんど更新がなされていなかった。
彼女にどうやって接触するか。
SNSで彼女に接触して「こんにちは。私はあなたの恋人の生まれ変わりです」ってメッセージでも送るのだろうか。いや、誰が見てもヤバい奴だよね、それ。
でも、住所は知っているんだよね。
どうしよう。直接会いに行っちゃおうかな?
……いや、やっぱりヤバい奴が来たって思われるよね。それ、妥当なリアクションなんだけど傷付きそう。
やっぱりあたしは今の人生を生きていくしかないのかな~。
最近だと「俺」の要素もだいぶすり減ってきた気がする。アイデンティティが統合されているのか、何なのかは知らないけど。
この問題は、あたしの中で結論が出てくるまで置いておこう。
冷静になって話せる、その時が来るまで。