プリン女子三人組というブログで有名なブロガーがいた。

 三人組は顔も本名を知られていない。

 分かっているのはニックネームとプリン情報と仙台在住なことだけ。

「はい、更新~~! ねぇ、ブラックと着物。見てみて、これ。新しい人にまた見てくれたみたい、ほら」

 あぐらをかいて、果揶(かや)は膝の上にノートパソコンを置き、エンターを片手で押した。

 そのあと、立ち上がり、ブラックと着物を呼んでいた。

「ねぇ、その呼び名やめなよ!ねぇ、そう思わない?」
  
 黒髪ロングで常に着物のことを考えてる三十二歳の奈津(なつ)。

「奈津(なつ)、おしとやかはどうした?」
 
ショートヘアで黒の服しか着ない二十八歳の心愛(ここあ)。

「あら?心愛(ここあ)。年がら年中おしとやかよ。何を言ってんの!?」

奈津は口元に手をあてて、にんまりと笑って、心愛に言う。

「おしとやかの人は何言ってんの!とかいってこないから。果揶は何黙ってんの」

黙っていた果揶は心愛の反応に念を送る。

「私は~千の風になって~念を送っています~」
 
ミディアムヘアでジーパンが好きな自炊派の三十五歳の果揶。

「ああ、ブログ。新しい人見てくれたでしょ」

心愛はソファーの下で携帯を弄り、ソファーにいた果揶に顔を向けていた。

「そう。プリンについて書いているだけでなんでこんなに見てくれるんだろうね」

果揶はクリックパッドとクリックポイントを操作しながら、パソコンを眺めていると、うん?と画面を前屈みになった。

「これってさ、この前二人が駅で会ったプリン2号さんだよね?」
 
プリン2号さんから、いつも楽しみにしていますとメッセージがきていた。

果揶は目を丸くして、大きい声で言い放つ。

「なに、なに」