朝食後、陰の出雲大社と呼ばれる日御碕神社にバスを使って移動し、参拝する。
日御碕神社はすべての建造物が朱色で彩られており、神社って境内がこんなに鮮やかだったっけと思ってしまったくらいだった。
マキさんの着ているおしゃれで真っ赤なコートが景色に馴染んでいる。
旅館に戻ってチェックアウトをしているとき、先に会計を済ませていたMIKEさんが声を上げた。
「ほら、やっぱり!」
手に持っているのは、なんとロシアンブルーの猫グッズ(箸置き)だ。
昨日行ってなかったはずの旅館のお土産屋に、今日は確かに売っていた。
「決めたゴールに必要な願いは、当たり前のように叶ってしまうんですよ。
これくらいの速さでね」
そう言ってMIKEさんは嬉々として猫グッズを購入した。
ようやく出雲大社に正式参拝する。
早朝にマチルダさんが祝詞をあげた祓社(はらえのやしろ)には、多くの人が集まっていて人だかりができていたので、わたしたちは軽く拝んで通り過ぎた。
神社参拝初心者のわたしは、小さな祠から全部参拝する人がこんなにもたくさんいるんだという事実をその目で確認してやはり目を丸くするしかない。
昨日の散策から数えるともう三度目なので正直慣れてしまったが、北島國造館まで来たとき、結婚式を挙げている人達に出会ったのが三回目だということに気づいた。
神社参拝しているときに結婚式を目にするのは、参拝を神社から祝福されているという意味があるらしい。
そうすると、わたしたちは出雲大社から大歓迎を受けたということになるのかもしれない。
何にせよ、大変うれしい。
稲佐の浜で集めた砂は、素鵞社(そがのやしろ)という祠の両側と後ろの部分に砂の入った箱があるので、そこに自分が持って来た砂を入れて元からある乾いた砂をいただくのだが、人がずらりと並んでいて、その並んだ人がどんどん箱に持って来た砂をいれるもんだから、元からある乾いた砂がどこからどこまでというのがいまいち分からない。
「これって、下手したら今日誰かが持って来た砂を、すぐに自分が持って帰ることになるよね?」
などとみんなで言いながら、できるだけ下の方の砂をいただいた。
ランチを終えて大鳥居まで戻ってきたとき、近くにある宝くじ売り場に行列ができていた。
そろそろ解散かなと思っていたら、ナツさんが見当たらない。
「あれ、ナツさんがいないね」
MIKEさんも気がついたらしく、誰かがナツさんに連絡したのだが返事が来ない。
しばらく待って、ようやくナツさんがどこかから戻ってきたので行先を尋ねると、どうやら宝くじ売り場に並んで宝くじを買っていたらしかった。
「どうせ買うならご利益がありそうだからここで買おうと思って、行列見た瞬間に並んでた」
優しく柔らかな空気をいつもまとっているナツさんと、思いついて即行動に移したその迅速さのギャップがおかしくて、みんなで声を上げて笑った。
解散してそれぞれが帰路についたが、わたしはこの後まっすぐ帰るかどこかに寄るか思案していて、バスを待っている福水ちゃんと最後まで大鳥居の場所に留まり、とりとめない話をしていた。
「さあ、これからのけろっこさんはどうなっていきたい?」
福水ちゃんの質問に、虚を突かれる。
これからの自分がどうなりたいかなんて、全然考えていなかった。
そうだなあ。
わたしは少し考えて、こう答えた。
「不安だけど、最後にはいつも大丈夫になる!」
「いいね!」
福水ちゃんが元気よく肯定してくれる。
生きてく中で不安や心配がなくなることはないけれど、それすら丸ごと受け入れて大丈夫で終われるわたしへ変わるんだ。
この同志たちと一緒に、わたしは新しい世界に行く。
日御碕神社はすべての建造物が朱色で彩られており、神社って境内がこんなに鮮やかだったっけと思ってしまったくらいだった。
マキさんの着ているおしゃれで真っ赤なコートが景色に馴染んでいる。
旅館に戻ってチェックアウトをしているとき、先に会計を済ませていたMIKEさんが声を上げた。
「ほら、やっぱり!」
手に持っているのは、なんとロシアンブルーの猫グッズ(箸置き)だ。
昨日行ってなかったはずの旅館のお土産屋に、今日は確かに売っていた。
「決めたゴールに必要な願いは、当たり前のように叶ってしまうんですよ。
これくらいの速さでね」
そう言ってMIKEさんは嬉々として猫グッズを購入した。
ようやく出雲大社に正式参拝する。
早朝にマチルダさんが祝詞をあげた祓社(はらえのやしろ)には、多くの人が集まっていて人だかりができていたので、わたしたちは軽く拝んで通り過ぎた。
神社参拝初心者のわたしは、小さな祠から全部参拝する人がこんなにもたくさんいるんだという事実をその目で確認してやはり目を丸くするしかない。
昨日の散策から数えるともう三度目なので正直慣れてしまったが、北島國造館まで来たとき、結婚式を挙げている人達に出会ったのが三回目だということに気づいた。
神社参拝しているときに結婚式を目にするのは、参拝を神社から祝福されているという意味があるらしい。
そうすると、わたしたちは出雲大社から大歓迎を受けたということになるのかもしれない。
何にせよ、大変うれしい。
稲佐の浜で集めた砂は、素鵞社(そがのやしろ)という祠の両側と後ろの部分に砂の入った箱があるので、そこに自分が持って来た砂を入れて元からある乾いた砂をいただくのだが、人がずらりと並んでいて、その並んだ人がどんどん箱に持って来た砂をいれるもんだから、元からある乾いた砂がどこからどこまでというのがいまいち分からない。
「これって、下手したら今日誰かが持って来た砂を、すぐに自分が持って帰ることになるよね?」
などとみんなで言いながら、できるだけ下の方の砂をいただいた。
ランチを終えて大鳥居まで戻ってきたとき、近くにある宝くじ売り場に行列ができていた。
そろそろ解散かなと思っていたら、ナツさんが見当たらない。
「あれ、ナツさんがいないね」
MIKEさんも気がついたらしく、誰かがナツさんに連絡したのだが返事が来ない。
しばらく待って、ようやくナツさんがどこかから戻ってきたので行先を尋ねると、どうやら宝くじ売り場に並んで宝くじを買っていたらしかった。
「どうせ買うならご利益がありそうだからここで買おうと思って、行列見た瞬間に並んでた」
優しく柔らかな空気をいつもまとっているナツさんと、思いついて即行動に移したその迅速さのギャップがおかしくて、みんなで声を上げて笑った。
解散してそれぞれが帰路についたが、わたしはこの後まっすぐ帰るかどこかに寄るか思案していて、バスを待っている福水ちゃんと最後まで大鳥居の場所に留まり、とりとめない話をしていた。
「さあ、これからのけろっこさんはどうなっていきたい?」
福水ちゃんの質問に、虚を突かれる。
これからの自分がどうなりたいかなんて、全然考えていなかった。
そうだなあ。
わたしは少し考えて、こう答えた。
「不安だけど、最後にはいつも大丈夫になる!」
「いいね!」
福水ちゃんが元気よく肯定してくれる。
生きてく中で不安や心配がなくなることはないけれど、それすら丸ごと受け入れて大丈夫で終われるわたしへ変わるんだ。
この同志たちと一緒に、わたしは新しい世界に行く。