次の日。
私はまた、柊月がいる農園を訪れていた。今回の滞在は1週間で、1日目は家族全員で視察をしたが後の6日間は私たち3姉妹は自由行動だ。宿から遠すぎない場所なら自由に散策して良いと言われていた。
(あっ…あれ、柊月かな)
遠くに農作業をしている小さな人影が見えて、胸が高鳴る。
「柊月!!」
大きい声で叫んで手を振ると、柊月がこちらに気づいて走ってきた。
「二葉!どうしてここに?」
「昨日は全員で視察だったけれど、今日から1週間は私たち3姉妹は自由行動なの。」
「そっか…。実は、昨日の夜、二葉が帰った後、もしもう一度会えたらどこを案内しようか考えてたんだ。」
「ほんと!?」
「うん。俺のお気に入りの花畑が近くにあるんだ。」
「…!!私、花を見るのが大好きなんだ。連れていってくれない?」
「もちろん。じゃあ行こうか。」
柊月の顔が、ぱあっと輝いた。