「二葉!いい加減起きなさい!今日は視察に行く日よ。」
「は〜い…。」
「やっと起きた…ほんとに寝起きが悪いわね。ほら、早く身支度をしておいで。時間に間に合わないわよ。」
「分かった、お姉ちゃん。」
私の名前は、茨木 二葉(いばらき ふたば)、16歳。一葉(ひとは)という18歳の姉と、三葉(みつは)という15歳の妹がいる。そして、私の父は、茨木結斗。そう、この日本を治めている人物だ。私たち家族は、月に一回ほどの頻度で、いろいろな町の視察に行く。今日視察に行くのは、私たちも住んでいる東京都内だが、いつも身だしなみと時間にうるさい一葉に叩き起こされたのだ。
今日もいつも通り、愛想笑いを浮かべて、会社や工場、農場を訪問して、それで終わりだと思っていた。
あの人に、出会うまでは___