「着いたー!」
数十分後。私たちはショッピングモールに到着した。数年前にオープンしたばかりの新しい建物。
「どこに行く?とりあえず何か食べる?」
「そうだね…移動で疲れただろうし、少し休もうか。」
出会って3日目だけれど、柊月はいつも私のことを気遣ってくれる。本当に優しい。
軽く食事をした後、店を見て回ることにした。
「ねぇ、おそろいでなにか買わない?」
「いいよ。何がいい?」
「柊月が決めていいよ。」
「えっ…俺が?本当にいいの?」
「うん。柊月が選んでくれたものなら私はなんでも嬉しいよ。」
「じゃあ、この花のキーホルダーにしようか。」
「お互いに相手に向けて選ぶのはどう?」
「そうしよっか。」
そして、数分後。私はカスミソウの花の飾りがついたものを選んだ。花言葉は『幸福』『無垢の愛』。
柊月の方を見ると、彼も選び終えたようでこちらに近づいてきた。
「二葉、何にしたの?」
「柊月こそ。せーので見せよっか。」
「そうだね。せーの!」
同時に手を開いて相手に見せる。柊月の手にあるキーホルダーには、キンモクセイの花の飾りがついていた。花言葉は、『初恋』『真実の愛』。
「…柊月、ありがとう。」
「こちらこそありがとう、二葉。」