地球最後の日まで、ぼくの友だちでいたい? あいつ、寝ぼけてんの?
 寝ながら登校してくるなんて、ある意味器用なやつだな。
 なんだ、その安っぽい三文小説みたいな妄想は。
 ぼくの幸せを、勝手に決めつけるな。だいたい、ヨウがいないのに、幸せになれるもんか。
 大型犬なんてほしくないね。犬はヨウ一匹で充分だ。
 ヨウって、どうしてあんなに馬鹿なんだろう。ぼくのことが大好きなのに、気づかない。いや、気づかないふりをしているのか。
 自分の気持ちに名前をつけるのを、恐れている。暗闇を怖がる子どもかよ。
 ふん。ヨウが怖がりなのは、今にはじまったことじゃない。
 いつだって、あいつの手を引いてきたのは、ぼくだ。
 こうなったら、ぼくを好きだと素直に認められるまで、手を離さないでいるさ。勝算? あるよ。
 地球最後の日まで、ヨウのそばから離れなければいい。
 他の人間がいなくなってしまえば、あいつだってぼくを選ぶしかない。
 手はじめに、A。おまえを消そうと思う。