タケルが告白を認めた? はあ~っ? おまえ、なにしてくれてんの?
『秘密をぺらぺらしゃべるやつ』だって、タケルに幻滅されたらどうするんだよ!
 そんなタマじゃない? おまえがタケルのなにを知っているんだよ! こちとら、十七年間一緒にいるんだぞ。
 え? マウントをとられた? 信じないね。あいつはそんなことしないもん。
 タケルは頭がよくて、優しい。は? 優しいのはおれにだけ?
 おまえの根性がひん曲がっているから、そう見えるんだよ。かわいそうなやつ。
 地球上の生きとし生けるものに、タケルは優しいですけど?
 ……だからおれは、タケルには幸せになってほしいんだ。
 有名大学を卒業して、大企業に就職して……いや。あいつは顔もいいから、芸能人の道もあるかもな。
 美人な奥さんをもらって、かわいい子どもに恵まれて。
 庭つき一戸建ての豪邸を建てて……大型犬を飼うんだ。な? タケルにぴったりの人生だろ? そんなふうに、まっとうに生きてほしい。
 おれはときどき、あいつの家に遊びに行くんだ。『ああ、タケルは幸せなんだ』って見守りたい。
 もちろん、あいつにそっくりな子どもをかわいがるよ。おれ、子ども好きだもん。
 あいつは、友情と恋愛感情をごっちゃにしている。おれがしっかりしなくちゃ。流されちゃ、だめだ。
 地球最後の日まで、おれはタケルの一番の友だちでいたい。