目の前に立っていたのは五年前に転校したはずの幼馴染、加藤沙也加だった五年振りに見た沙也加の顔は全く変わっていなかった。
「さーちゃん!?、どうしてここに」
僕は迷う間もなく問いかけた。
「うーん、、、  こーちゃんに会いたかったからな」
ニコッと笑顔で沙也加は答えた。僕は一瞬沙也加の答えまでに間があり、本当に俺に会いたかっただけなのか?、他に理由があったのではないか?と内心思ったが思ったことをすぐ口に出せないタイプの僕は
「ありがとう!俺も会いたかったよ!」としか素直に言うことができなかった。


そう思ってるうちに沙也加は言った。
「実はね!私こーちゃんと同じ高校に転校してきたんだよ!」
沙也加は笑顔でとても嬉しそうに言った。
「ええ、まじか!」と僕は声を荒げた。
僕は正直嬉しかった、この五年間ほとんど友達を作らず学校生活を送っていたので沙也加の居ない学校生活はとても寂しかった。そんなことを考えているうちに時間がかなり過ぎてしまっていた、僕は大きな声で言った。
「やばい!遅刻する!さーちゃん手貸して!」
「え?」
僕は沙也加の手を握って学校まで思いっきり走った。
「ふう、やっとついた危ない危ない」
「ほんとにギリギリだったね、」
時計の針は八時二十九分を指しておりギリギリ間に合った。昇降口に入り靴を下駄箱に入れる前に僕はふと疑問に思ったことを言った
「さーちゃんって何組?」
「一組だよ!」
「同じクラスだ、」
「ほんと!?やったー!」
沙也加は笑顔で喜んだ。僕も学校が同じだけでも良いのにクラスまで一緒になるなんて尚更嬉しかった。
学校のチャイムが鳴り僕達は慌てて教室まで行った
「いよいよだね、行こう」と気弱そうに言った後に沙也加は教室の扉を開けた。
「転校生じゃん!」
「めっちゃかわいい!どこから来たの?」
クラスメイトは案の定の反応だった。沙也加は言った
「ここの高校、男子しかいないね」
「まあ、男子が来るような所だからな」
僕達が話をしているとしばらくして先生が来た、安西先生だ。
「よーしお前らー席つけー!!転校生の沙也加さんは前に来てください」
僕は席についた、そして安西先生が言った
「今日からみんなといっしょに過ごす加藤沙也加さんだ!自己紹介よろしく」
「はい!、皆さんこんばんは加藤沙也加です、皆さん友だちになってくれると嬉しいです!これからよろしくお願いします!」と沙也加は言った。
そして先生が「皆さん拍手!」と言いクラスでは拍手が鳴った。
「えー、とのことだから皆仲良くしてやってくれよ!、それと席だが煌牙の隣で、煌牙頼んだぞ!」
「はい!」


僕は先生の期待に答えるために大きく返事をした