**無職43日目(10月13日)
眠れない夜が続いていた。心太朗は、昨夜のお祭りの騒がしさが身体に残っているのかもしれないと思ったが、実際はそれ以前から調子が崩れていた。無職生活に入って以来、睡眠のリズムが乱れ、夜に眠れない日々が続いていた。まあ、無職って言っても「自由な時間」なんて素敵な響きはどこへやら。実際は、夜が遅くなると朝がつらくなり、朝が遅れれば、その一日は「負けた」気分で始まる。まるで、毎朝「今日も負け」と宣言しているようなものだ。
「今日もダメだったな…」心太朗は独り言を呟く。やるべきことが一つもできていない。Xも日記も書けず、チョコザップでの運動も、神社へのお参りも、全てが後回しになってしまった。まあ、神様も「この人はもういらない」と思っているかもしれない。何も成し遂げられない日が続くと、心も次第に重く沈んでいく。
最近、自分の体調の波を感じ取ることができるようになった。2、3日調子が良い日が続いたかと思うと、その後は2、3日間不調が訪れる。この周期が繰り返される。
「もう少し不調の期間を減らしたいな」と心太朗は思う。そこで、対策を考えることにした。
「まずは、朝6時に起きることだ」と彼は決意した。朝が遅れれば、その日は全てがうまくいかない。しかし、睡眠不足で起きたら、何もできなくなる。「今日こそは!」と意気込んでも、ベッドの誘惑には勝てない。体はまるで重たい鉛のようだった。
そこで、心太朗は「いつ寝てもいい」というルールを作ることにした。こまめに仮眠を取りながら、合計で8時間の睡眠を確保する作戦だ。これなら、夜に無理に眠ろうとするプレッシャーから解放される。
これまで心太朗は、22時から6時まで眠る予定で生活していた。しかし、実際には22時に眠れることはほとんどなく、逆に「早く寝なきゃ!」という焦りが夜遅くまで眠れなくさせていた。最悪の場合、朝まで一睡もできないこともあった。「寝られない無職」という新しい職業が生まれつつあった。
「もう、決まった時間に寝るのはやめよう。仮眠を中心にしよう」
心太朗はそう決心し、次の4つのルールを自分に課すことにした
1. 必ず朝6時に起き、9時までは起き続ける。
2. 仮眠は一度に1時間までとする。
3. 仮眠から目が覚めたら、必ず作業に戻る。
4. 睡眠の合計は1日8時間までに抑える。
1. 朝6時に起きて9時までは起き続ける
心太朗は、毎朝6時に必ず起きることにした。これが大切なスタートだ。朝に早く起きることで、一日を有意義に過ごせるようにしたいからだ。ただし、眠いときに無理に起きるのは辛いので、起きたらカーテンを開けて日光を浴びることにした。これで体が目覚めやすくなる。
2. 仮眠は1時間まで
心太朗は仮眠を取ることにしたが、一度に寝るのは1時間までに制限する。長く寝すぎると、逆にだるくなってしまうからだ。1時間の仮眠は、リフレッシュの時間であり、起きたら気分をスッキリさせて作業に戻ることができる。
3. 仮眠から目が覚めたら作業に戻る
仮眠から目が覚めたら、必ず何か作業をすることにした。これにより、仮眠を取ることが無駄な時間にならないようにする。日記を書いたり、SNSに投稿したりして、次の行動にすぐに移るように心がける。
4. 睡眠の合計は1日8時間まで
心太朗は、仮眠の合計時間を1日8時間に抑えることにした。これによって、寝すぎるのを防ぎつつ、しっかり睡眠を確保できるようにした。昼間の仮眠を記録して、夜の睡眠時間も管理することで、バランスの取れた生活を目指している。
この新しいルールで、心太朗は眠れない夜から解放され、少しずつ自分のリズムを取り戻せるかもしれない。しかし、ルールを守れなかったらどうする?そこから生まれるのは無職の無限ループだ。
この作戦を澄麗に言うと、「大丈夫、完璧じゃなくても少しずつ進んでいけばいいんじゃない?私も応援してるから、もし何か手伝えることがあったら言ってね。」澄麗は優しい目で見つめながら言った。
彼女の優しさが心太朗をわずかに勇気づけた。
果たしてこの作戦が成功するかは神のみぞ知る。彼は、少なくともプランを立てたことでほんの少し心が軽くなった気がした。「これで、明日こそは勝ちたい!」と願う心太朗であった。