「優花ちゃんってば!」

 肩に小さな衝撃が走る。
 突然引き戻された意識に困惑していると「寝ぼけてる?」と、顔を覗き込んだのは……。

「……麻美?」

「何で疑問系なのよ」と、笑う顔は1400年前と格好は違うけどやっぱり変わらない。
 ゆっくりと辺りを見渡すと、神社の境内の前に制服を着てお参りの順番を待つクラスメイト達の姿が見えた。
 __戻ってこられた。

 そう理解した瞬間、麻美に抱きつく。
 温かな熱に、皆のことを想い涙が溢れ出した。

「ど、どうしたの?」

「……嬉しくて」

 また会えたことが嬉しくて、だけど皆がいない現実が悲しくて。私はしばらく泣き続けた。そんな私を麻美は理由も聞かずただずっと抱き締めてくれた。