「陽向くん、僕、ぬい活したいんだけど、一緒にやらない? ひとりであんまりお出かけしないから、ひとりじゃ、ちょっと不安で……」
夏休みの昼過ぎ、叶人の部屋で羊毛をチクチクしていた時に叶人が質問をしてきた。
ちなみに今作っているのは、叶人いわく、羊毛フェルトの俺らが食べる設定の、ソフトクリームやマカロン、ケーキ……ひたすら可愛い系のデザート。叶人が作っていた鳥たちも含め、完成した羊毛フェルトは全て叶人の勉強机に並べてある。机の上は今、パーティーのように羊毛フェルトたちで盛り上がっていた。
「ぬい活って、何?」
「推しのぬいぐるみと一緒にどこかへお出かけして、その場所を背景にぬいぐるみの写真を撮るの」
叶人からの誘いはなかなか珍しい。
叶人に誘われて断る自分は、どこにもいない。
「俺も、ぬい活してみたいな。一緒にやろ?」
「陽向くんと一緒にぬい活だ。やった! 陽向くんが一緒だったら安心だ。羊毛フェルトの子たちは、陽向くんや僕の他に鳥さんたちも連れていこうと思うよ!」
推しのぬいぐるみ……羊毛フェルトの俺も、推しの中に入れてくれているのか。机の上で、羊毛フェルトの叶人と手を繋いでいるようにみえる、羊毛フェルトの俺。見るたびに、気持ちが温かくなる。
叶人が丁寧に作ってくれた羊毛フェルトの俺――。
「行きたい場所とかは決めてるの?」
「あのね、あのね。ネットでいいなって思うぬい活をしている人がいてね、その人のSNSなんだけど……こんな場所に行って、こんな写真を撮りたいなって思ってるの」
叶人が見せてくれたスマホの画像を覗き込む。場所はここからかなり遠い場所だけど、綺麗な花畑を背景に、羊毛フェルトで作られた人気なアニメのキャラクターが写っていた。
「楽しそうだな」
「でしょ? でもこの辺にこういう場所、あるかなぁ?」
「俺、探してやるよ」
夏休みの昼過ぎ、叶人の部屋で羊毛をチクチクしていた時に叶人が質問をしてきた。
ちなみに今作っているのは、叶人いわく、羊毛フェルトの俺らが食べる設定の、ソフトクリームやマカロン、ケーキ……ひたすら可愛い系のデザート。叶人が作っていた鳥たちも含め、完成した羊毛フェルトは全て叶人の勉強机に並べてある。机の上は今、パーティーのように羊毛フェルトたちで盛り上がっていた。
「ぬい活って、何?」
「推しのぬいぐるみと一緒にどこかへお出かけして、その場所を背景にぬいぐるみの写真を撮るの」
叶人からの誘いはなかなか珍しい。
叶人に誘われて断る自分は、どこにもいない。
「俺も、ぬい活してみたいな。一緒にやろ?」
「陽向くんと一緒にぬい活だ。やった! 陽向くんが一緒だったら安心だ。羊毛フェルトの子たちは、陽向くんや僕の他に鳥さんたちも連れていこうと思うよ!」
推しのぬいぐるみ……羊毛フェルトの俺も、推しの中に入れてくれているのか。机の上で、羊毛フェルトの叶人と手を繋いでいるようにみえる、羊毛フェルトの俺。見るたびに、気持ちが温かくなる。
叶人が丁寧に作ってくれた羊毛フェルトの俺――。
「行きたい場所とかは決めてるの?」
「あのね、あのね。ネットでいいなって思うぬい活をしている人がいてね、その人のSNSなんだけど……こんな場所に行って、こんな写真を撮りたいなって思ってるの」
叶人が見せてくれたスマホの画像を覗き込む。場所はここからかなり遠い場所だけど、綺麗な花畑を背景に、羊毛フェルトで作られた人気なアニメのキャラクターが写っていた。
「楽しそうだな」
「でしょ? でもこの辺にこういう場所、あるかなぁ?」
「俺、探してやるよ」