その時、クラスメイトの男子たちが一気に湧き上がった。



みんなの反応で何があったのかすぐに分かる。



……彼女が通ったんだ。



「桃様っ……!」



「今日も美しい!」



窓際の端っこの席の僕は、廊下の様子なんて全く見えない。



色々なクラスの男子、そして1部の女子が囲んでるから。



「おはようございます」



騒ぐ大勢の人の中から、彼女の透き通るような声がかすかに聞こえる。



桂桃。



全生徒が認める美しい容姿。



人当たりのいい性格。



テストは毎回上位に入っているし、桂さんと同じクラスである女子からは、運動もできると絶賛されている。