「よし、着いたー」
彼は傘に積もった大量の雪を払い、畳んだ。
「ケーキ、楽しみだね」
「うん、なんかクリスマスじゃないのにクリスマスみたい」
「たしかにね」
家のドアを開ける間も会話が弾む。鍵を開け、部屋に入ると寒気が篭っていた。私は急いで暖房をつけ、電気を付けた。明かりが灯っただけで、部屋が暖かく感じる。
「じゃあ、早速食べようか」
「うん」
彼はゆっくりと箱を開けた。そこには綺麗な形をしたショートケーキが2つ、並べられていた。
「おおお」
私は思わず声を上げた、いつもなら、なんてことないケーキだけれど、彼といると特別に感じた。
「お皿とフォーク持ってくるね」
食器を持ってくる間も、ずっとワクワクしていた。持ってくると、彼は「ありがとう」と言って、ケーキをお皿に運んだ。
「よし。じゃあいただきます」
「いただきます」
フォークを持って、まずは一口。ケーキのクリームとスポンジが、私の口を幸せにする。
「美味しいね」
「うん、美味しい」
そう言って、しばらく2人で黙々と食べ進めた。
「そういえばさ、なんで今日を特別な日にしようと思ったの?」
「さっきも言ったじゃん、今日は雪の日だから」
「いや、なんで雪の日は特別なの?」
「雪って、滅多に降らないじゃん。それに……」
「それに?」
「三雪は、雪の日が似合う人だから。今日はすごく美しく見えるよ」
「ありがとう」
やっぱり、付き合って時間が経っても照れてしまう。外に降っている雪が、なんだか私のために降っているような気がした。
「あのさ」
「なに?」
「これからも、ずっと一緒にいようね。たくさん思い出作ろうね」
思わずそう言うと、彼はまた笑った。
「当たり前だろ」
一番最後に食べた苺は、やけに甘く感じた。
彼は傘に積もった大量の雪を払い、畳んだ。
「ケーキ、楽しみだね」
「うん、なんかクリスマスじゃないのにクリスマスみたい」
「たしかにね」
家のドアを開ける間も会話が弾む。鍵を開け、部屋に入ると寒気が篭っていた。私は急いで暖房をつけ、電気を付けた。明かりが灯っただけで、部屋が暖かく感じる。
「じゃあ、早速食べようか」
「うん」
彼はゆっくりと箱を開けた。そこには綺麗な形をしたショートケーキが2つ、並べられていた。
「おおお」
私は思わず声を上げた、いつもなら、なんてことないケーキだけれど、彼といると特別に感じた。
「お皿とフォーク持ってくるね」
食器を持ってくる間も、ずっとワクワクしていた。持ってくると、彼は「ありがとう」と言って、ケーキをお皿に運んだ。
「よし。じゃあいただきます」
「いただきます」
フォークを持って、まずは一口。ケーキのクリームとスポンジが、私の口を幸せにする。
「美味しいね」
「うん、美味しい」
そう言って、しばらく2人で黙々と食べ進めた。
「そういえばさ、なんで今日を特別な日にしようと思ったの?」
「さっきも言ったじゃん、今日は雪の日だから」
「いや、なんで雪の日は特別なの?」
「雪って、滅多に降らないじゃん。それに……」
「それに?」
「三雪は、雪の日が似合う人だから。今日はすごく美しく見えるよ」
「ありがとう」
やっぱり、付き合って時間が経っても照れてしまう。外に降っている雪が、なんだか私のために降っているような気がした。
「あのさ」
「なに?」
「これからも、ずっと一緒にいようね。たくさん思い出作ろうね」
思わずそう言うと、彼はまた笑った。
「当たり前だろ」
一番最後に食べた苺は、やけに甘く感じた。