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「晶! どこ行ってたの!」
 昼過ぎにマンションの駐車場でばったりと早希に会った。いつものように彼氏の愚痴を聞いて欲しくてやってきたのだろう。手には昼間だというのにコンビニの袋に入った缶ビールが透けて見えた。
 相変わらず自分勝手な早希にあたしは曖昧に微笑んだ。こんなところが大好きだったことを実感する。
 早希はあたしに構わずずいずいとあたしに近寄ってくるとあたしの腕を掴んだ。
「ねえ! ちょっと今から晶んちで愚痴っていい!?」
「もちろんだよ」今までのあたしならそう答えただろう。でも今は。
「ねえ、早希。あたし好きな人ができるかも知れないの」
「えっ?」
 突然変わった話題に、早希は目を丸くした。 あたしはあたしを好きになってしまおうか。 その時、あたしと早希の関係は変わるのだろうか。
 今はまだわからない。
 でもまゆが言ったとおりかもしれない。あたしはあたしが好きだ。一番大事だ。今までのあたしは全てを無意識に早希のせいにしていた。そうして勝手に苦しんでいた。
 早希の為とか自分に嘘をつき続ける女。
 そんな女、やめちゃいなよ、あたし。