「かんぱーい!」

//SE グラスをぶつける音
肩を並べて座っている。テーブルの上にはご馳走とビール缶、ワインボトルなど。

二十歳(はたち)の誕生日おめでとう~!」

「君もすっかり大人の仲間入りだねぇ。はい、飲んで飲んで~」

「自分の許容量を知るのは大事だからねぇ。外で人様に迷惑かけないように、最初のうちは家で、信頼できる人と飲むのがいいよ」

「だから大学での飲み会とか……行ってもいいけど、お酒は飲まないようにね? 悪い人が酔わせようと企んでるかもしれないから……ね」//不穏な感じで

「今日は私がいるから、安心して、好きなだけ飲んでいいからね?」

「潰れちゃっても、ちゃぁんと私が面倒見るから。あっでも、気分が悪くなったりしたら、無理しちゃダメだよ? 少しずつ、ね?」

//SE お酒を飲む音

「美味しい? ふふ、良かったぁ。おつまみもたくさん作ってあるからね。勿論、最後にはケーキも」

「もう君が引っ越してきて、一年以上経つのかぁ……。なんだかあっと言う間だったな。毎日楽しくて」

「ご飯作ってあげたり、耳かきしてあげたり、マッサージしてあげたり……。二人で順番こに風邪ひいたこともあったねぇ」//最後笑いながら

「映画見たり、運動したり、こたつでだらだらしたり……。どの季節も君との思い出があって、本当に……楽しかった」

「君も、楽しかった? ……ふふ、そっか。なら良かった」

「来年も、再来年も。ずぅっと、こうやってお祝いしたいな」

「なぁんて。いつまでも独り占めはできないか。君も、もう大人だもん。その内、”お姉さん”なんていらなくなっちゃうかも」

「……そんなことない? ほんと?」

「ご飯が美味しいから……って、もう! ご飯だけ?」

「まぁ……狙い通りだからいいけど」//ぼそっと

「ううん、なんでもない。ほらほら、その美味しいご飯をどうぞ。あーん♡」

//SE 時計の音 時間経過

「……おーい? 大丈夫? 起きてる?」

「酔っちゃったかぁ。結構飲んだもんね」

「気持ち悪くはない? 平気?」

「お水飲める? はい、ゆっくりね」

//SE 水を飲む音
酔ってぼうっとした主人公が、ヒロインにもたれかかる。

「あらら。おねむかなぁ?」//からかうように

「おーい。このまま寝られちゃうと、私じゃ君をベッドに運べないんだけどなぁ」

//SE ずり落ちる音
もたれていた主人公が、ヒロインの膝に落ちる。

「うーん、仕方ない。朝まで膝枕コースかなぁ、これは」//嬉しそうに

//SE ぎゅう、と抱きしめる音
主人公がヒロインの膝に乗ったまま、腰を抱きしめる。

「ふふ、酔うと甘えんぼになるのかぁ。ぎゅってくっついちゃって、かーわい」

「ほんと、よそで飲ませないようにしなきゃ……」

「私も、君を離してあげる気はないから」//髪を撫でながら

「卒業しても、ずっと一緒がいいって言わせてみせる」

「……楽しみだねぇ」

//SE キス音
主人公の額にキスを落とすヒロイン。