ここ数日の写真部は忙しい。
先日、文化祭があったので、その際に撮影した写真を校内で貼り出して、売るらしい。売ると言っても別に利益を出すとかではなく、あくまで学校側からの指示なので金銭面については詳しくない。ただ写真部は撮影した写真をボードに貼ったりしなくてはいけない。
「なんで、最上階なんかなー。」
ぼそりとつぶやく。写真部が1階にも関わらず、販売のために写真を展示する部屋は4階だ。そして必要な机などの準備も任されてしまったので、写真部は大移動を行っている最中だった。貧弱な写真部には過酷な話である。
「部長〜!椅子足りますか⁈」
「高梨、お疲れ!あと3脚はいるかも…」
「分かりました!澄野!1脚持てる⁉︎」
「いけるよー!すぐ追いつく!」
「了解!先行くね!」
机、椅子、ボードの大荷物にも関わらず、学校には階段しかない。みんな荷物の移動でバテていた。澄野と椅子を運んだ後、部室に戻るとボードが1つ残っていることに気づいた。パーテーションサイズのボードだから運ぶのが大変だ。
「ボードか…4人ほしいな…。」
「高梨先輩、どうします?」
今、戻ってきたのは鹿谷と私。2人だと正直厳しい。チラリと鹿谷の腕を見る。細い…私の方が力があるかもしれない…。不安だけど、もうあまり時間もないので持って行っておきたい。
「ごめん、重いかもしれないけど私と2人で持ってくれる?」
「分かりました。」
鹿谷と2人でボードを階段まで連れて行き、持ち上げる。想像より重い…。階段目前のところで皇に会った。
「あ!皇!手伝って!」
「うぉ!高梨先輩、鹿谷…ごめん!ちょっと担任に職員室に来るよう言われてて…先輩、絶対オレより力あるし大丈夫っすよ!じゃあ!」
皇が去っていく。しょうがないけど、余計な一言に関しては許さない。ため息をついてボードを持つ手に力を入れる。平行にして階段を登ったら鹿谷が声をかけてきた。
「高梨先輩、上持って。俺の方が下になるように傾けてください。」
「はぁ?下は脚ついてるんだから、鹿谷の方が重くなるじゃん。」
「俺、男だし、先輩より力ありますよ。大丈夫です。ほら。」
そう言って鹿谷が階段を一段降りてボードを傾けてきた。本能的に「やばい崩れる!」と体がこわばったけど、鹿谷は平気そうにボードを持っている。私の持ってる側は大分軽くなった。先輩としては情けないが、腕がもたないと思っていたので正直助かった。
「………ありがと。」
小さく言ったお礼に鹿谷は返してこなかった。もしかしたら聞こえなかったのかもしれない。
先日、文化祭があったので、その際に撮影した写真を校内で貼り出して、売るらしい。売ると言っても別に利益を出すとかではなく、あくまで学校側からの指示なので金銭面については詳しくない。ただ写真部は撮影した写真をボードに貼ったりしなくてはいけない。
「なんで、最上階なんかなー。」
ぼそりとつぶやく。写真部が1階にも関わらず、販売のために写真を展示する部屋は4階だ。そして必要な机などの準備も任されてしまったので、写真部は大移動を行っている最中だった。貧弱な写真部には過酷な話である。
「部長〜!椅子足りますか⁈」
「高梨、お疲れ!あと3脚はいるかも…」
「分かりました!澄野!1脚持てる⁉︎」
「いけるよー!すぐ追いつく!」
「了解!先行くね!」
机、椅子、ボードの大荷物にも関わらず、学校には階段しかない。みんな荷物の移動でバテていた。澄野と椅子を運んだ後、部室に戻るとボードが1つ残っていることに気づいた。パーテーションサイズのボードだから運ぶのが大変だ。
「ボードか…4人ほしいな…。」
「高梨先輩、どうします?」
今、戻ってきたのは鹿谷と私。2人だと正直厳しい。チラリと鹿谷の腕を見る。細い…私の方が力があるかもしれない…。不安だけど、もうあまり時間もないので持って行っておきたい。
「ごめん、重いかもしれないけど私と2人で持ってくれる?」
「分かりました。」
鹿谷と2人でボードを階段まで連れて行き、持ち上げる。想像より重い…。階段目前のところで皇に会った。
「あ!皇!手伝って!」
「うぉ!高梨先輩、鹿谷…ごめん!ちょっと担任に職員室に来るよう言われてて…先輩、絶対オレより力あるし大丈夫っすよ!じゃあ!」
皇が去っていく。しょうがないけど、余計な一言に関しては許さない。ため息をついてボードを持つ手に力を入れる。平行にして階段を登ったら鹿谷が声をかけてきた。
「高梨先輩、上持って。俺の方が下になるように傾けてください。」
「はぁ?下は脚ついてるんだから、鹿谷の方が重くなるじゃん。」
「俺、男だし、先輩より力ありますよ。大丈夫です。ほら。」
そう言って鹿谷が階段を一段降りてボードを傾けてきた。本能的に「やばい崩れる!」と体がこわばったけど、鹿谷は平気そうにボードを持っている。私の持ってる側は大分軽くなった。先輩としては情けないが、腕がもたないと思っていたので正直助かった。
「………ありがと。」
小さく言ったお礼に鹿谷は返してこなかった。もしかしたら聞こえなかったのかもしれない。