プロローグ
「俺と離婚してほしい。実は……運命の番と出会ってしまったんだ」
夫、真田《さなだ》基紀《もとき》から、そう切りだされ、千花《ちか》は箸で摘まんでいた肉の欠片をぽとりと落としてしまう。
基紀はすまなそうに眉を下げると、持っていた箸を置き、頭を下げた。
「運命の番?」
「あぁ……まさか、本当にそんな相手と出会うなんて思ってもみなかった」
彼の周りを多う波動は、薄い青色と灰色が混ざったような色だ。
いつもは薄い赤と薄い緑がマーブルになっているのに、帰ってきたときからこの色をしていたから、仕事でなにかあったのかと夕食のこの時間に聞こうと思っていた。
千花には生まれたときから不思議な力があった。
人の持つ波動のようなものが色として見えるのだ。
自分なりに確かめてみた結果、青は悲しみ、赤は愛情、緑は喜び、黒は悪意のようなものだとわかっている。強い波動ほど、濃い色として千花の目に映る。
おそらく彼は今、悲しみと後ろめたさに苛まれているのだろう。
「なに言ってるの? 冗談にしては悪趣味だよ」
千花も持っていた箸を置き、基紀を見据えた。
「冗談なんかじゃない」
「なにそれ……」
千花は唇を震わせながら、基紀を見据えた。
彼がうそをついている様子はない。ならば、本当だとでも言うのか。
運命の番──
この世界を作ったのは大綿津見神という海の神様らしい。
大綿津見神は一人の人間の女性を愛した。人間と契ることなど許さないと怒ったほかの神々が二人を引き裂き、大綿津見神を長い眠りにつかせてしまったのだ。
大綿津見神が長い眠りから覚めると、人の世では百年の時間が経ち、女性はとっくに亡くなっていたのだという。
悲しみに暮れた大綿津見神は、女性の魂を自らに取り込み一つになった。一人の身体に二つの魂。それは決して離れることはなく魂の番となったのだ。
やがて大綿津見神の中で一つになった女性が子を産んだ。子は男で、やがて愛する女性に出会い、その相手を運命の番と呼んだという。
運命で結ばれた二人は、大綿津見神と同一の存在となった片割れと同じようであった。
まるで魂と魂が結ばれているかのように苛烈に相手を求めた。誰かに奪われることを恐れ、男は番を誰にも見せなかった。やがて時が経ち番が寿命を迎えると、ほとんど同時に男も永い眠りについたのだ。
自分たち人間は、そんな彼らの子孫だと言い伝えられている。
どこかにいる自分の番を探す一族も昔はあったらしいが、今ではお伽噺のようにこの国の神話として語り継がれているに過ぎない。
神話から何千年の時を経て、世界人口は数億人となった。海神の血は薄まり、出会える数億分の一を探す者は誰もいない。
だから、夫がその〝運命の番〟を見つけたなんて、冗談だとしか思えなかったのも致し方ないだろう。
「私たち結婚してるのよ!?」
「だから離婚してほしいと言ってるんだ」
「どうして急に」
「俺だって……何度もそう思ったさ。結婚してるんだからだめだと思った……でも、無理だった」
「なにが無理なのよ!」
基紀とは学生時代に知りあい、昨年結婚したばかりだ。交際期間を含めたら二十四歳の今まで八年の付き合いになる。
彼を愛していたし、今でも愛している。
昨日まで、基紀からの気持ちを疑ったことなど一度もなかった。
見目も良く話も上手く女性にモテる基紀と違い、千花は凡庸だ。目だけはぱっちりしているが、鼻は低く、丸顔だからか童顔だと言われる。
千花を可愛いと言ってくれるのは基紀くらいで、過去に告白してきたのも彼だけ。おとなしそうな見た目なのに、はきはきとものを言うところが好きだと基紀は言った。
当時、こんなにかっこいい人が自分の恋人になるなんて、とそれはもう浮かれたものだ。
「仕事だって一緒なのに」
「それは……だから、申し訳ないと思ってる。もし千花が俺と一緒に働くのは無理だって言うなら……」
「なによ! 辞めればいいって!? あなたはそれでいいかもしれない! 社長だもんね。私をクビにするのもたやすいんでしょ!」
「……ちゃんと、慰謝料は払うよ」
そういう問題じゃない、と千花は喉をひくりと震わせた。
千花は基紀が経営するエステサロンでエステティシャンとして働いている。
基紀とは、仕事とプライベートで顔を合わせていても、今までケンカ一つしたことがなかった。夫婦仲はかなりよかったはずだ。昨日だって眠る前におやすみのキスをしたのに。
好きな食べ物、趣味、好きな服に至るまで知っている。互いには互いしかいないと思っていた。それこそ千花は基紀を〝運命の相手〟だと感じていたのだ。
(八年一緒にいて……突然出てきた〝運命の番〟だかに、奪われるの……っ!?)
なんだそれは。冗談じゃない。
千花は唇を噛みしめて、震える手をぎゅっと握りしめた。
(運命の番なんてものがいるなら、もっと早くに出てくればいいじゃない。あとからしゃしゃり出てきて、人の夫を奪うんじゃないわよ!)
だってこれでは、自分たちが八年一緒にいたのは無駄だったではないか。彼がその運命の番と出会うために、今までがあったのだとでも言うつもりか。
多くの人が番に出会うことなく、恋愛結婚している現在。番に出会う可能性はそれこそ天文学的な数字のはずだ。友人にだって番に出会った話など聞いたこともない。
それなのに、どうして基紀の番が見つかってしまうのか。どうして自分がその番ではないのか。千花には意味がわからなかった。
「どうしても離婚したいの? 私よりもその人が大事?」
「運命の番に出会ったことのない千花にはわからないんだ。本当に申し訳ないと思ってる。千花のことを愛する気持ちはあるのに、どうにもならない。希美《のぞみ》に出会った瞬間、本能が彼女を求めていると感じた。眠るように、息を吸うように……ただ、希美だけを求めてしまう……っ!」
基紀はまるで慟哭するようにそう言った。
悲しいのはこちらなのに。どうにもならないことを嘆くように。
(恋愛なんてしなければ、結婚なんてしなければよかった……)
運命の番に惹かれる気持ちがどんなものなのか、千花にはたしかにわからない。
けれど、基紀はわかっているのか。千花が基紀を想う気持ちだって、決して軽いものではないということを。
基紀が隣にいるのが当たり前だった。基紀がいなくなる日が来るとしたら、歳を取って亡くなるときくらいだと思っていた。それくらい愛していたのだ。
まさかこんな形で幸せが壊れるなんて、考えてもみなかった。
「そう……わかったわ」
千花が了承すると、基紀は安心したように息を吐いた。それを見て、自分たちはもうどうにもならないのだな、と察してしまった。
自分の色は今、何色をしているのだろうか。自分のだけはどうやっても見えないから、青なのか、黒なのか、どちらにしてもどす黒い色をしているだろう。
千花はその日、基紀が用意した離婚届にサインをしたのだった。
第一章 元夫の番
離婚が成立し一週間。
千花は、もともと基紀と住んでいた分譲マンションを慰謝料としてもらった。現在、3LDKの高層マンションに一人で暮らしている。
基紀との思い出の残る家に住み続けることに抵抗はあったが、裏切られた側の自分がこの家を出ていかなければならないことに納得がいかなかったのだ。
千花が言うと、基紀はすんなりとそれを受け入れた。
基紀は必要なものだけを手早くまとめて、バッグ一つで部屋を出ていった。金に困っている男ではないし、必要なものは新しく買えばいいと思っているのだろう。
千花は怒りにまかせて、遠慮なく彼の服をゴミ袋に突っ込んだ。基紀がいた痕跡を消すように何一つ残さなかった。それでも気は晴れない。
だが、仕事はすぐに辞めるというわけにはいかず、千花は周囲に離婚を隠したまま、基紀が経営するエステで働いていた。
彼も離婚してから千花に顔を合わせるのが気まずいらしく、本店ビル内にある本部にずっと詰めており、滅多に店舗には下りてこない。
仕事にさほど影響がないことにほっとする。
「千花さん、社長が呼んでますよ」
「……そう? ありがとう」
最後のお客様を見送って店に戻ると、スタッフの一人が声をかけてきた。どうやら基紀が呼んでいるらしい。
千花は足取り重く、店舗内にある応接室に向かった。
「……失礼します」
「入って」
気が重い。なんの用だろう。基紀の声が聞こえてドアを開けると、応接室のソファーに若い女性が座っているのが見えた。
彼女が背負っている色は、赤色と黄緑が混ざったようなものだ。誰かの感情を色で測ってしまっていけない。
「この人なの?」
「あぁ、そうだ」
ソファーに座る女性が入ってきた千花を見て、拗ねたように唇を尖らせて言った。基紀は彼女に答えるように頷いた。
「お呼びと窺いましたが」
「あぁ……とりあえず座ってくれ」
基紀はデスクの奥にある椅子に座っていた。そこからソファーに移動すると、なぜか女性の隣に腰を下ろした。
千花はなにがなんだかわからず、基紀の前に腰かける。
「初めまして、町田《まちだ》希美です。あなたが、基紀さんの元奥さんなのね。へぇ」
女性は〝元〟を強調するように言った。そして千花を見下すように目を細めた。
あからさまに敵意のある声色を聞けば、彼女が基紀の〝運命の番〟なのだと察せられる。千花は冷めた気持ちで、彼女の鋭い目を受け止めていた。
「実は、希美が明日からうちで働くことになったんだ。君にはチーフとして希美を指導してほしいと思ってね」
元妻に浮気相手の世話をさせるとはどういう神経をしているのか。運命の番というものに出会うとバカになるのだろうか。
千花は百年の恋も冷めるほどに呆れながら基紀を凝視した。すると隣にいた希美ががばりと基紀に抱きつく。
「ねぇ、基紀さん、この人まだあなたのことが好きなんじゃないの? まさか私たちの間に番でもない女が入れるとでも思ってるの!?」
希美は楽しそうに声を立てて笑っていた。
運命の番というのは男も女もバカになるのだろうか。
「千花はそんなに愚かな女じゃない」
「なによ、基紀はこの女の肩を持つの? ひどいっ」
「あぁ、そうじゃない。希美、悪かった。俺が一番大事なのは希美だ」
基紀は隣に座る希美を宥めるように肩に腕を回し、彼女の頭を引き寄せた。希美は基紀の肩に顔を埋めて、頭を擦り寄せる。
千花は、目の前で希美に触れる基紀を見ていられずに目を逸らした。そこは私の場所だったのに、そう思わないようにしていても、離婚して一週間では心の傷は癒えない。
「先ほどの話ですが、ここまで敵視されて面倒なんて見られません。それに彼女……社会人経験はありますか?」
たとえ恋人でも夫婦でも、職場では公私を分けられないようではやっていけない。彼女は社長である基紀に対して恋人としての顔しか見せていないのだ。これから部下になるのをわかっているのだろうか。
千花が暗に希美の非常識を咎めると、基紀の目がきつく吊り上がる。
「そんな言い方はしないでくれっ! 希美が元妻である君に複雑な感情を覚えるのは当然だろう! 俺が君と夫婦だったから、彼女は俺と付きあえないと泣いていたんだ!」
「……そうですか」
ならば、自分が面倒を見ればいいのでは。そう思ったが口には出さない。基紀は美容師資格を持つ経営者だが、エステティシャンとして働いているのは女性だけだ。
「折を見て、俺たちの離婚はスタッフに伝える。君にはチーフとして、彼女を一人前のエステティシャンに育ててほしいと思っている……以上だ」
基紀は、それきり話を打ち切った。
社長としての命令ならば従うほかない。
彼はもう、番である希美のことしか見えていないのだろう。目の前で元妻がどれだけ傷ついているか考えもしない。
恋は盲目とは良く言ったものだ。彼らは二人して赤い色を振り撒いていた。
結婚してからこんな色をした彼を見たことがない。長い付きあいだし仕方がないと思っていた。ベッドにいるときだけは、彼の色が変わることもあったから、夫婦だしそんなものだと思っていたのだ。
(基紀さんは、本当に彼女が好きなのね)
千花は了承の返事をして応接室を出る。
そして翌日。
出社時間よりも三十分以上遅刻して店にきた希美を、更衣室に呼びだした。
「仕事だという自覚があるなら、始業時間には遅れないように」
「私は将来の社長夫人よ! なんなの三十分の遅刻くらいで!」
「社長夫人だろうがお客様を待たせるわけにはいかないわ。お客様がいるから、基紀さんは社長でいられるんだってわかってる? 働く気がないなら、基紀さんに生活の面倒をみてって言えばよかったじゃない」
千花が窘めると、希美はきっと目を吊り上げて叫んだ。
「基紀さんって言わないで!」
「……ごめんなさい」
八年も一緒にいたのだ。彼の名前を呼ぶのはもう癖みたいなもの。どうして自分が彼女に謝らなければならないのだろう。
彼女の感情は部屋に入ってきてからずっと喜びに満たされている。おそらく、怒った振りをしつつ、元妻である千花を遣り込めることを楽しんでいるのだろう。
「基紀に未練があるんでしょ」
「未練なんて……」
ないとは言い切れない。言葉を濁す千花の思いを察したのか、希美が苦々しい表情でこちらを睨みつけた。
「基紀と私は運命の番。あなたの出る幕じゃない! さっさと消えてよ! あなたが一緒に働いてるのも私は不快なの!」
「消えたら仕事も教えられないんだけど」
「ほかの人に聞くからいい。あなたとなんて喋りたくない!」
希美にそう言われたら、千花にはどうすることもできない。
それに、スタッフへの紹介だけは千花がしようと思っていたが、はなから彼女への研修を担当するつもりはなかった。後輩の一人に頼むつもりでいたのだ。その方が千花にとっても希美にとってもいいと思ったから。
まだ希美が来てから一時間も経っていないのに、千花はすっかり疲れ果ててしまっていたのだった。
第二章 もう恋なんてしない
希美が働き始めてから二週間が経った。
後輩から研修の進捗を聞くと、おおよそ予想通りである。
希美はまるでやる気がないようで、なにか注意を受けるたびに「私はそのうち社長夫人になる」と言って、注意してきた後輩スタッフをクビにするだのと脅しているらしい。
このままではほかのスタッフの士気にも関わる。
千花は、店舗を巡回している基紀を呼びだし、応接室で彼と応対した。
「話とは?」
基紀の顔は厳しい目で千花を睨みつけた。その顔は、殺気立っていると言っても過言ではない。八年の付き合いで千花が見たことのない顔だった。
薄くはあるが悪意の籠もった黒い色に覆われている。
「町田さんの件です」
「希美の……俺も話は聞いている」
「なら……っ」
彼女を働かせるのは無理だとわかってくれたのかと、一縷の望みを込めて言うが、彼から告げられた言葉は予想だにしないものだった。
「君は希美に嫉妬し、彼女が泣くほどの嫌がらせをしているんだろう!」
「え……?」
そのとき、応接室のドアをノックする音が聞こえて、基紀が返事をする前にドアが開けられる。基紀の顔を見ていた千花には、彼の表情の変化、感情の変化がすぐにわかった。
「遅くなっちゃった! 基紀っ、お疲れ様ぁ~」
希美は、ぴょんと飛び跳ねるように基紀に抱きついた。基紀も元妻の前だという認識はすでにないのか、希美の身体を愛おしげに抱き締める。
「あぁ、毎日頑張っていると聞いている。だが……」
基紀が言うと、希美は顔を曇らせた。そして千花をちらりを見つめる。
彼女の身体からは真っ黒の靄が噴きでていた。これほどまでの悪意を、千花はいまだかつて見たことがない。
「この人が……私を虐めるの。仕事はまったく教えてくれないし。すぐに怒鳴るし。暴力だって……っ!」
「そんなわけ……」
「お前っ! 希美に暴力を!?」
千花の言葉を遮るように基紀が怒鳴った。
「そんなことするわけないじゃない!」
「希美がそう言ってるんだ! 泣いているじゃないか!」
基紀には、はなから千花を信じる気などなかったのだ。希美が黒といえば白でも黒。今の彼には番以上に信じられる存在はいないのだろう。
「来週から別の店舗への異動を命じる。お前に希美を任せたのが間違いだった」
「……わかりました」
千花がそう言うと、希美の口元がしてやったりと歪められた。基紀は今の彼女のオーラと顔を見ても、番だからと愛し続けるのだろうか。
千花は冷め切った気持ちで頭を下げると、その場を去った。
翌週から、千花は本店からだいぶ離れた場所にある男性向けエステサロンで働くことになった。
それもチーフという立場ではなく、一般社員として。それは事実上の降格だった。マンションからは片道一時間半の距離で通勤が非常に苦痛だ。
駅に向かって歩いていると、ふと誰かの視線を感じて、周囲を見回した。
だが、こちらを見ている人はいない。
(気のせいか……)
もしかしたら、彼らのせいでずいぶんと神経が過敏になっているのかもしれない。店にいても基紀と顔を合わせないように一日中張り詰めていた。
今もそうだ。社長の視察が入ると顔を合わせるかもしれない。基紀と会いたくなくて、休憩も取らずに雑用をしているくらいだ。
いったい千花がなにをしたというのだろう。ただ元妻というだけで、ここまで彼らに疎まれなければならないのか。
電車に乗り込み、携帯電話で新しい仕事情報を確認した。
このまま同じ職場で働いていても、これ以上の出世も望めないし、自分の立場は悪くなっていくばかりだ。
千花はまだ二十四歳だ。いくらでもやり直しは利く。わかっていても、新しいところで頑張ろうという気力さえ湧かない。
職場について、今日のお客様の予約表を確認する。
千花にはまだ固定の予約客はついておらず、体験で来店した客の案内や説明を担当している。
朝イチで予約表をチェックすると、WEBから十三時に新規の体験予約が入っていた。ほかのスタッフは予約で手一杯だ。千花が担当することになるだろう。
午前中は飛び込み客のヘッドスパを担当し、昼休憩を取った。
時刻は十二時五十分。
そろそろかと壁に掛かった時計を見ると、受付から色めき立ったような女性の声が聞こえてくる。ほかのお客様もいるのにどうかしたのかとそちらに目を向けると、一人の男性が受付の案内でこちらに向かって歩いてくるところだった。
「十三時にご予約の紫藤《しどう》隼人《はやと》様です」
受付スタッフに言われて彼の顔を見ると、思わずぽかんと口を開けて凝視してしまうくらいの美貌に面食らう。
仕事上、芸能人の担当をすることもある。だが、彼はそれ以上だ。というか、あれほどに綺麗な顔を千花は見たことがない。年齢は二十代後半だろうか。
艶のある黒髪は左右に分けられており、流された前髪が目にかかっている。
綺麗な弧を描く目元、真っ直ぐに通った鼻、それらは完成された男の美しさを持っているが、中でもひときわ目立つのは青く輝いた瞳だろう。