それは、奇妙な出会いだった。
 ある夏の暑い日。二人は自転車同士の事故で出会った。原因は、39度の熱があるのに学校へ行こうとしていた和歌のせいである。ふらふらと、自転車を漕いでいるものだから幸人がぶつかっててしまったのだ。幸人は、和歌の熱に気づいて病院に連れて行った。もちろん親も来たが、その対応は酷いものだった。
母 「あら 病院に来なくても良かったのに」
幸人 「は?何言ってるんだ?39度も熱があるんだから病院来て当たり前だろ」
母 「そうかしら。ほっとけば治るわよ。」

幸人は、これ以上話しても無駄だと思った。

母 「あなたも、余計なことしてくれたわね。これじゃあ診察料がかかるじゃない」
幸人 「娘より金ですか。本当に親ですか?」
母 「血は、繋がってないけど一応ね」
和歌 「もうやめて お母さんが私を疎ましく思ってるのは、わかってるからさ。君もありがとう!」
幸人 「……。」