「お母さん、私痛くないよ。お母さんの心の方が痛かったんだよね?本当に邪魔だと思ったら、この家を出て行っても、わざわざ近くに住んだりしないよね?お金がなくなる前に、置きに来ないよね?私知ってるよ、ご飯買いにコンビニ行くとね、たまにお母さんを見かけてた。だから、こうやって顔を合わせたことなんて、何年もないのに、久しぶりに会った感じがしないんだ。お母さんは本当は私のこと、大事にしてくれてるんだよね、不器用なだけで」
「口の聞き方くらい教えておけばよかったわ」
そう言って、母は家を出て行った。目には光るものが浮かんでいた。