〝いろはと、壱葉〟



小さい頃、初めて出会った日。



名前の響きが似てるからって、
子供なりの、とても単純な理由で。



私達が仲良くなるのに、
時間なんてかからなくって。



初めて出会った日が、
──────私の初恋になった。



でもね、その気持ちがイケナイものだって。



気づいたのは、高校生になってからのこと。



私、木更いろは(きさらいろは)は、
どこにでもいる、普通の家の普通の人間。



だけど、幼なじみの、
掛川壱葉(かけがわいちは)くんは違う。



将来、日本経済を回してしまうような。



そんな、
──────手の届かない人。



〝好き〟って気持ちを抱いちゃいけないって。



分かってはいたのに.....................